鏡よ鏡――――
あまりにも有名な魔法の鏡。
ところで……なぜあれほど正確に、世界で一番を知っていたのでしょう?
ええ。鏡越しに膨大な書物を管理してきた『知の番人』だからです。
悠久の時に流されない彼は、例の女王と義娘の騒動の後も変わらず在り続けました。
それに比べれば十二年と三か月と六日なんて、つい最近のこと。
一瞬とも呼べる期間ながら、彼が語り合った少女は……かつての二人を彷彿とさせる姫。
しかし彼女は、まったく新しい発想で鏡に問いかけてきます。
どうか教えてくださいな、と。
姫、そちらは書物にはない情報ですが……
知識と知見を合わせて、たぐり寄せる将来は?
じんわり響く読後感。
オススメいたします。