感情デスゲーム
@kaname6363
第1話 エモーション
感情それは人間が生きるために必要なもの。
感情が無ければ傷つくこともない。
現代社会で問題視されてるうつ病や感情障害になることも無いだろう。だが逆に感情がなければそもそも幸せや喜びを感じられず、生きる意味を無くすのでは無いだろうか。
趣味や恋愛など感情が無ければ始まらない。人を好きになるということも出来ないなら、人間同士で結ばれることなく、子孫を残せずそこで人類は滅びるのではないだろうか。
つまり感情がなければ人は苦しまずに済むが、感情が無ければ生きる意味を失うに等しい。生きる意味を失った人間は果たして生きていると言えるのだろうか・・・
俺、赤羽聖司は高校生だ。特に特徴や特技は無いが、ひとつ好きなことをいえと言われたら本を読むのが好きだった。本を読んでいると現実への苦しみを忘れられる。読んでいる間は本の世界に入り物語に浸ることが出来る。俺は本を読むことが生きがいだった。
だから、休み時間や放課後は図書室に入り浸っていた。ここでならクラスのうるさい連中も近寄らず、人と極力関わらないでいられる。
俺はクラスで浮いていた。人と話す言わなくてもいいことを言ってしまう。要するに空気が読めないのだ。いや空気を読めない訳ではなく読む意味がわからないと言うべきか。人の顔色うかがったり、察したりそんなものをしてまでしないといけない人付き合いなんでごめんだった。だが、そんな人間が許されるはずもなくクラスでは腫れ物ように扱われている。だがこれでいい。人と関わってもろくな事にならないのだから。そんなある日だった。図書室で1人の女と出会った。その女は俺と同じように本を集中して呼んでいた。本で顔はよく見えなかったが、とても絵になる女だった。気づけば俺は彼女に釘付けになっていた。視線で気づかれるかと思ったが、彼女は本に集中していて全く気づいていないようだった。結局彼女は図書室の利用時間まで本を読んでいた。俺は、普段絶対にしないが図書室の司書に話を聞くと、彼女はつい先日同じ学校に転校してきたらしい。
次の日も彼女は休み時間や放課後になると図書室に現れ本を読んでいた。俺は彼女に惹かれ始めていた。話したことすらないが、俺と同じ時間の使い方、本を読む時の集中した顔どれも好ましいと思った。
だが、数ヶ月経っても話しかけられないでいた。
気づけば学年が上がっていた。だがまだ俺は彼女と一言も話せていない。そんな時奇跡が起きた。彼女と同じクラスになったのだ。
それだけではなく委員会決めで同じ図書員になれた。正直彼女も図書員になるのでは無いかと期待していたが、予想は当たっていた。委員位の初めての集まりの時。俺は覚悟を決めて話しかけようとした。
「いつも図書室にいますよね❓本が好きなんですか❓」慌てて声のした方に顔を向けると彼女が俺に話しかけていた。まさか向こうの方から話しかけてくるなんて。俺は驚きと喜びでどうにかなりそうだった。緊張を何とか抑えて俺は答えた。
「そういう君こそいつも図書室にいるよね。話しかけたかったんだけど読書の邪魔になると思って話しかけられなかったんだ。」
すると彼女は静かに微笑んで「私も話しかけたいと思っていました。どんな本が好きなんですか❓」そこから好きな本について語った俺たちは意気投合し。休み時間や放課後になると図書室で本を一緒に読み。下校時間になると一緒に帰りながらその日読んだ本について感想を言い合った。夢のような時間だった。そしてそんな関係がしばらく続き、俺は彼女に告白しようとした。だがその日彼女は欠席していた。風邪でもひいたのかと思ったが、次の日も彼女は来なかった。気になった俺は彼女の家に行くことにした。すると彼女は部屋で1人泣いていた。俺は理由を聞いたが、彼女は頑なに答えようとしなかった。問い詰めると彼女は観念し話してくれた。
どうやらクラスの中心人物だちが、俺たちみたいな大人しい人間が仲良くなるのを面白く思わなかったらしく、嫌がらせを受けたらしい。それだけではなく彼女の父親は再婚して出来た父親らしく、その影響で転校してきたらしい。そしてそう義父は彼女に性的な目を向けており、襲われないか毎日怯えていたらしい。だから出来るだけ下校時間ギリギリまで図書室で時間を潰し家にあまりいないようにしていたらしい。だが、クラスメイトに嫌がらしを受けたことにより、弱っていてそこにつけこまれ襲われたらしい。ちょうど母親がいなかったしい。
頭がおかしくなりそうだった。俺は彼女の何も知らなかった。知ろうとはしなかった。自分の無力を呪った。その日の帰り道、俺は家に帰る気になれず、公園に寄っていた。これからどうするか悩んでいると。一人の女がたっていた。女は俺を見て不気味に笑い話しかてきた。「望みを叶えたくありませんか?」
感情デスゲーム @kaname6363
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