ポン助

シアン

第1話

「ポン助。洗濯物干すの手伝って!」

そういいながら、洗濯物を干していく。

案の定ポン助は床に寝そべってせんべいを食べている。

あ、今ケツ掻いた。痒くないのに。


ある日、夫が持ってきたこのロボット。

「名前はポン助っていうそうなんだ!持ってきていいって言われたから今日からうちの家族だ!」

そんな軽いノリで持ってきた。

最初は家事が楽になるとは思った。

しかし、家事はしない。ご飯は食べる。

結果的にかさむ食費。

何かな~


「ポン助。洗濯物干すの手伝ってくれる?」

聞き方が悪かったのかもしれない。

お、ポン助立ち上がった。

ポケット?に手を突っ込んだ。

何か出してくれるのか?

「テッテレー『無』!」

「『無』?」

思わず聞いてしまった。

「何も出て無いけど」

「何もだしてないもん」

こいつ、ポンコツだからポン助なんでは?

「僕がなんでもかんでも手伝ったら、ママが何もできなくなるじゃん。僕はそれを危惧してあえて手伝ったり、便利な道具を出したりしないんだ」

一理ある。

一理あるが、それってお手伝いロボットとしてどうなの?

というか子どもが手伝わない理由を正当化している時と同じような気がするんだけど

「じゃあ、お昼ごはん作ってくれる?」

「え?」

「お昼ご飯、ポン助も食べるでしょう?私も何でもかんでもやってあげたら、ポン助のためにならないんじゃないかなって思ったの」

「ぐぬぬ」

ぐぬぬとかいったぞ!こいつ。

「仕方がない。自分の分は作るよ」

「私の分も作ってくれると嬉しいな」

キッチンに向かっていったポン助。

こうやって何かやってくれる機会が増えると嬉しいんだけど。

そう思いながら、私は洗濯物を干し終え、掃除をすることにした。



お昼、ポン助は、本当に自分の分しか作らなかった。

もう、目がまん丸になった。

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ポン助 シアン @HCN_solt

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