花言葉に酔いしれて

髙咲 天

第1話 Muscari


[Flower bar Muscari]


5月、暖かい日に見慣れない道の路地裏。


暗い路地裏には似合わなく、花で飾られているお店が特殊で輝いて見える。最近できたのか、見覚えのない看板。普段なら入らない。入らないのに足が1歩、また1歩とお店に引き寄せられる。

[Flower]の看板を見てしまったから。


「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ。」

barにもcafeにも見える店内と優しく微笑むマスターの雰囲気は心地よかった。やわらかな花の匂いに心が落ち着きあたりを見回していた。


フジやツツジ、ポピーにラベンダー。

わたしは気づいた。


「あれ、5月の花だ。」

「よくわかりましたね。お花お好きなんですか?」

私と同じ年に見えるのに清潔感もあって何かわからないけどオーラがある方だと感じた。よれたスーツに汚れた革靴の自分とは大違いだ。


「変ですよね。こんなおじさんが花すきなんて。」

「それは私も変ということになりますよ。」

マスターはにやけながら言ってくる。

「すみません。」

少し頭をさげてると、奥から若い男の子が出てきた。


「すごいですね!お花関係の仕事なんですか!?」


「こらお客様に失礼ですよ。」

マスターに𠮟られているが誰なのか。黙って彼を見つめ続けていた。するとグイっと手をつかまれ



「先ほどはすみませんでした。俺、大学三年生の高宮蒼也って言います。お花に詳しいなら俺にお花について教えてください!!!」


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Muscariの花言葉

明るい未来・夢にかける思い・寛大な愛






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