傾国妖討伝~妖狐覚醒編~
佐江木 糸歌(さえぎ いとか)
序章~始まりの百鬼夜行~
世界の中心より東の果て。極東の海に浮かぶ島は
京の町を都とし、人と妖が神秘の中に生きている……。
今宵、京の都を数刻にて凄惨な焦土へと変貌させた妖の百鬼夜行は、長きにわたるこの国の歴史の中で、大きな転換点となる大事件として後世に語り継がれることは疑いようもない。
妖たちは彼らの楽園をこの地に実現するため、
魔軍を迎え撃ち、人の歴史を守らんとするは
それにより形勢は一気に逆転した。
部下の八割を浄化され、頼みの四天王も封印された酒吞童子と茨木童子は、妖討師たちによる決死の総攻撃に致命的な隙を晒し、そこを突いて妖狐たちは最強の封印術を発動。妖の王は、かくして京の地下深くへ封印されたのである。
だが、一夜限りの地獄と化した都には怒号と狂笑と悲鳴が入り乱れた。妖討師たちの働きは凄まじく、数多の妖が浄化されたが、それに勝るとも劣らぬ数の人命が都を焼き尽くす業火によって灰と消え、都は燃え尽きた。
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