王道と言えば王道、余命僅かな恋人の願いを一つ一つ叶えていく物語、しかし、だからこそ読み手にとっては設定を受け入れやすく、かつ、妻の言葉の端々に切なさや儚さ、諦めが見えるのが読者の心をストレートに打ってくる。王道とは、それだけの魅力があるから王道たり得るのであり、作者さんの素直な文章が余計真っ直ぐに読者の心を揺らす。