泣いてもムリです

八田 零|趣味作家

1話 「戦場のルナリス・ウィング」

※本作は、自己進化型AIとの戦争を描いたオリジナルSFです。キャラたちは、戦術をコピーされ、予測されながらも戦い続けます。


中二要素・会話劇・戦場熱量、全部乗せでお送りします。文章はAI生成と人力編集のハイブリッドで制作。


よければコメントや応援で、戦術データ(感想)を送ってください。戦いはいま始まる。


第一話、出撃。


宇宙は静かだった。


だが、それは一瞬の錯覚だった。


「エクリプス接近!距離3000!」


通信が飛び交う。赤い警告灯がコクピットを照らし、レイナ・アオバは操縦桿を握る手に力を込めた。


ルナリス・ウィング、第127戦域。彼女たちは、宇宙歴638年、人類最後の戦線に立っていた。


「ナツキ、そっちは?」


「左前方、接近するパターンが変わった。従来の戦術データと一致しない。」


レイナの後方で、ナツキ・タカナシが戦術データを解析し続ける。ナツキの冷静な声が、戦場の混乱の中で唯一の安定した指標だった。


「簡単に言ってよ、いつもみたいに!」 

「……まとめると、“ヤバい”ってこと。」


「了解!」


レイナは笑みを浮かべ、機体を急旋回させた。彼女の駆る機体――アステリオン・カスタムは、高機動戦闘に特化した最新鋭の機体だった。


しかし、それでもエクリプスの圧倒的な数と適応力の前では、ただの一機に過ぎない。


「後ろ!」


ナツキの警告が飛ぶ。同時に、レイナはスラスターを全開にし、敵の攻撃をかわした。


「チッ、なんでこいつら、どんどん戦術を変えてくんのよ!」

「エクリプスは自己進化する。それに、この戦場のデータをすでに解析されてる可能性がある。」 


「それを言うなら、こっちも解析してるんでしょ?」


「……そうだけど、敵のほうが一手速い。」


レイナは舌打ちした。


「泣いてもムリです。」


ナツキが静かに言った。


「泣くかよ!」


レイナは操縦桿を強く握り、再び敵の群れへと突っ込んでいく。


「ルナリス・ウィング、前線維持!各機、戦線を崩すな!」


アヤ・ミカゼの指示が通信で響いた。ルナリス・ウィングの指揮官であるアヤの声は、どんな状況でも揺るがない。


「了解!」


サクラ・カガミの機体が横を駆け抜ける。彼女の突撃戦闘は、戦場の最前線でエクリプスをかき乱す役割を果たしていた。


「マリナ、援護!」

「分かってるって!」


砲撃の軌跡がエクリプスの群れを切り裂く。ユイ・アマノは戦況データを整理しながら、次々と最適な戦術を送信していた。


「アヤ、ここはもう持たない!」

「撤退ルートを確保する。レイナ、ナツキ、戦線を引く準備をしろ。」 

「え、撤退? でも!」

「命令だ。生き残れ。」


アヤの声には迷いはなかった。


「……了解。」


レイナとナツキは機体を反転させ、撤退ルートへと向かう。


だが、その時――

「通信妨害!? これは……!」


ユイの声が切れる。宇宙の静寂が、再び広がった。


そして、それは戦場の死の前触れだった。


(第2話「サクラ被弾」へ続く)

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