天邪鬼な僕と壊れた義姉さん
緋狐
だれか (玲菜視点)
ずっとだれかがいた。
だれかはいきなりわたしをたたく。
だれかはいきなりわたしをける。
だれかのだすおとはいやなおと。
だれかがこのおとをだすときはわたしがこえをだしたとき。
なにもいわなくてもそのおとはなる。
そのおとがなるときにわたしはぜったいになにもしてはいけない。
きづいたときからずっとそう。
わたしのこえはだれかのだすおとににている。だからわたしはこえをださない。
なにもしなくてもおなかはへる。なにかのきげんがいいとき、わたしはびんにたくさんはいったしろいくすりをたくさんくれる。たくさんたくさんくれる。
わたしがたべるところをみてなにかはくちがさけそうなぐらいわらう。
しろいのをたべればあたまがいたくなる。
からだがやけそうなくらいあつくなる。
だれかがかけてきたあついあついおゆとはくらべものにならないようなあついなにかがからだのなかでもえているようなかんじ。
あつくてあつくてこわれてしまいそうになる。こわれてしまいたくなる。
でも、どうすればいいかもわからない。
いつもきづいたらだれもいないへやでめをさます。だれかはいなくなっている。
ほねがなかからけずられるようないたみがのこる。
それでもわたしはたべる。
きょぜつすればもっともっといやなおとをきくことになる。
もっともっとなぐられてけられてくびをしめられる。
ずっとずっとそれのくりかえし。
なにもかんがえなかった。ただただそういうものだった。
きづけばあっというまだった。なにもかんじなくなった。
いつだっただろう。きゅうにへやがあつくなった。
だれかがわたしのてをいれたものによくにていた。
あれにてをいれるといたくなる。
ずっとずっといたいままでてからしるがでるからきたないといってだれかはたまにしかやらなかった。
どんどんまわりがあつくなっていく。
でも、べつにてかぜんたいかだけのちがいだった。
わたしはべつにそれがきらいではなかった。
きれいだとおもった。わたしのまわりからちかづいてくるのをじっとみていたらきゅうにせかいのいちぶがきえてなにかがはいってきた。
なにかはわたしがいるのをみてとてもおどろいていた。
そしてわたしをもちあげてせかいのそとにつれていった。
せかいのそとがわはくうきがうごいていた。
天邪鬼な僕と壊れた義姉さん 緋狐 @9672
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