まず、導入の丁寧な描写に引き込まれました。退廃した現代の生活から一転、異世界へ転移する展開はよくあるはずなのに、主人公・深山の背景設定がしっかりしているからこそ、まったく既視感を覚えません。
元傭兵という重い過去を背負った男が、異世界で「神の使者」として認識され、やがて現地民と心を通わせていく流れに感動しました。とくに、美幸との凸凹コンビが良いアクセントになっていて、明るい彼女の存在が作品の空気を絶妙に和らげているのが印象的です。
文章のテンポもよく、都市描写やスラムの空気感、登場人物たちの息遣いがリアルに伝わってきます。単なる「異世界モノ」ではなく、社会的テーマや人間の業を描いている点でも非常に好感が持てました。
今後、1000のクエストをどう乗り越えていくのか。続きを追いかけたくなる、骨太な物語です!