#3 四区祭2024 ペア部門 優勝コンビに聞く!
市立異能学園・西区本校 校内新聞【24'Q通信】
2025年4月8日 第10巻 第3号
発行:新聞部|編集責任者:2年C組 茅野優雅
四区祭2024 ペア部門 優勝コンビに聞く!
——四区祭2025西校代表決定戦 エントリーを前に、昨年王者は何を語るのか
市内四区の異能代表が競う“四区祭”。
今年度のボランティア募集要項がひさな市公式アプリ@HISANAで告知されましたね。
我らが西校でも、今年の代表を決めるための校内戦エントリーが開始されました!
というわけで「異能バトル部×新聞部」コラボ企画!
四区祭2024ストライクブロウ/ペア/ユース部門で優勝した
市立異能学園・西区本校 異能バトル部の名コンビ
新入生勧誘で盛り上がる春の異能学園から、今年の異能バトルの見どころをお届けします。
※取材:西校新聞部・茅野優雅(2年C組)
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◆直撃インタビュー
西校代表、
——改めて、優勝おめでとうございます!
日下部さん
「ありがとう〜! いやほんと、最後までギリギリだったよ。まさかあんな展開になるとは思わなかったし!」
長瀬さん
「ありがとうございます。最後まで集中を切らさずに戦えたのは、日下部先輩との連携があったからこそだと思います」
——では早速ですが。
|Q. 異能バトル、特にお二人の出場された部門について、教えてください。
日下部さん
「はい! 私たちが出場したのは、ストライクブロウ/ペア/ユース部門です!」
長瀬さん(チラリと日下部さんを見て)
「めっちゃ派手にぶつかり合いする/二人一組の/高校生部門、って感じですね」
日下部さん(長瀬さんに「裏切られた?!」という顔をして)
「取られちゃった……」
——仲良しなんですね!
日下部さん
「そりゃあペアですから! 背中を預ける相棒。それに、可愛い後輩! だもんね?」
長瀬さん
「……まあ、はい。そんな感じです」
|Q. 強さの秘訣は?
日下部さん
「ペア部門においては、ペアを組んだ選手同士の信頼関係を築くのは大事な一歩なんだ。だからペアを組んだその日には、“リク”って呼ぶことにしたんだ! これは大きかったと思ってる!」
※長瀬さんの下の名前が陸のため。
——長瀬さんからは?
長瀬さん
「……僕からは“日下部先輩”とか。あるいは縮めてしまって“先輩”とかですね」
——なるほど。今後たくさん名前を呼ぶことになるからこそ、「お互いをどう呼ぶか」って部分でも信頼関係を構築していったんですね。
——ありがとうございます。
|Q. ペア結成のきっかけは?
日下部さん
「私がリクの動き見て、『あ、これ絶対いける』って思って即スカウトしたの。相性の良さって、最初の直感が大事なんだよ。これ持論!」
日下部さん
「あとは〜……お恥ずかしながら私、新年早々階段でずっこけてね? リクに異能で助けてもらっちゃったんだけど、もうそれで、ビビッと来て!」
長瀬くん
「マジで必死でした。僕が異能で日下部先輩を浮かばせて助けたらしいのは、分かったんですけど……制御ができなくて」
長瀬くん
「落としたらどうしよう、それで怪我でもしちゃったら、って」
日下部さん
「え?! そんなの微塵も感じない見事な制御だったよ?!」
長瀬さん(日下部さんを指差して)
「……なのにこの人浮かびながら、『異能バトル部おいでよ! この制御は天下取れるね!』って話しかけてくるんですよ」
長瀬さん
「『今、僕、それどころじゃないんで!』って叫んでました。心の中でね」
日下部さん(両手を合わせて)
「えっと……ごめんね?」
長瀬さん
「でもあの出会いがあったから、僕は先輩の隣に立てたんだと思うと、……不思議と悪い気はしません。良い思い出です」
——おお……! めっちゃ「特別な出会い」っすね……!
——ということは、長瀬さんが得意とする空中の姿勢制御なども……?
長瀬さん
「この頃から、片鱗はあったのではないでしょうか」
|Q. お二人のバトルスタイルの紹介をお願いします。
日下部さん
「私がバトル担当! 得意の高速移動で読んで字の通り、超速く移動して殴る蹴る!」
長瀬さん
「僕は指揮担当です。日下部先輩は、走る、戦うといった『体の使い方』は上手いんですけど、うっかり自分の限界速度を超えて目を回す悪癖がありまして。僕が外から、異能使って光の道を作って、ナビゲートする感じです」
長瀬さん
「あとは重力を操作するとかして、先輩が『空を走る』ためのお手伝いなどを」
日下部さん
「リクのナビはほんっとーに! ありがたいんだよ! 異能で速度上げると情報処理が追いつかなくなって、そこまでの速度出してる当人なのに前が見えないなんていう、致命的な欠点がね? 正直、自分でも速すぎてちょっと怖い」
日下部さん
「だから、リクが『ここは走れるところ』って示してくれる光は、いつだって私を守ってくれてた。絶対に一人じゃないんだって思えて、心強かったんだ」
|Q. 印象に残っている試合は?
日下部さん
「準決勝! あれはマジでやばかった。相手が“飛んで”完全にリクの背後を取ってきて……一瞬ひやっとしたもん」
※飛ぶ - 異能バトルにおいて、瞬間移動することを指す俗称。
長瀬さん
「僕は決勝戦です。去年の北区は強かった。本当に。なんの合図もなく役割を交代するなんて、あんなの、お互いの信頼関係がよっぽど強固じゃないと……」
長瀬さん
「だからこそ、尊敬します。今年の四区祭も楽しみです」
|Q. 四区祭ってどんな場所ですか?
日下部さん
「お祭り! 屋台あるし、演出すごいし、照明も音響もプロ級。演出班の人たちに毎年感謝だよ!」
日下部さん
「あと、『これが異能研究都市ひさなだ!』って感じがある。この街に関わってるみんなが、自分たちの在り方にプライドを持ってて、誇ってるみたいなね」
長瀬さん
「すごく、注目が集まる場所です。出演者としての責任も感じました。演出・安全対策も完璧で」
長瀬さん
「あとは、かけがいのない成長と、青春と、経験と、出会いの場です。僕にとっては、誰がなんと言おうとね」
|Q. 今年の注目ポイントは?
日下部さん
「他区のバトル部もやばい新人を取ったぞ! って自慢してるよ。もう自慢合戦だね。今年も大荒れ間違いなし!」
日下部さん(にっと笑いながらピース)
「今年のウチも強いよ〜? “新兵器”がいるからね!」
長瀬さん
「レギュレーションの細かな調整があると聞いているので、それに対応した構成や戦略の刷新が注目されると思います」
長瀬さん(少しほほんで)
「あとは、……そうですね。ウチの“新兵器”でしょうか。未だ異能の制御に不安はありますが、それさえどうにかなれば」
——いやぁ〜良い顔しますねお二方。確信してる表情じゃないっすか。これは注目しないとだ。
|Q. 今年の出場についてどうお考えですか?
日下部さん
「選手としては引退。だけど今年、異能バトル部のマネージャーに就任しました! 後輩たちのサポートを全力でやるよ!」
長瀬さん
「僕はシングル部門に転向するつもりです。……先輩がいないのにペアで出る意味は、僕にはありませんから」
——おっと。“闇堕ち”宣言?
※闇堕ち - 異能バトルにおいて、ペア部門からシングル部門に転向する人のことを指す俗称。
長瀬さん
「うるさいぞ優雅、からかうな。仕事だろ最後までしっかりしろ」
——ごめんて
長瀬さん(日下部さんの方をチラッと見てから咳払いをして)
「……“異能バトル部パン”2個で手を打ちましょう」
※異能バトル部パン
人気すぎて異能バトルに発展するため「異能バトル部所属でもなければ勝ち取れない」と名高い、西校購買人気商品ランキング堂々1位のメロンクロワッサンのこと。
——俺が異能制御苦手だって知ってて言ってるなお前……?
長瀬さん(間をおいて)
「でも、先輩の目に届くところで、ちゃんと勝ちますよ」
|Q. 最後に、四区祭2025へ挑む読者の皆さんに、一言お願いします。
日下部さん
「異能は怖いものだよ。武器になる、傷付けるものになる。……でもだからこそ、私たちは使い方について考えなきゃいけないし、実践して慣れなきゃいけない」
日下部さん
「異能が怖いって人ほど、異能バトルにおいで。あなたは一人じゃないよ」
長瀬さん
「自分の何かを変えたい。その一歩を踏み出したい。僕たちはそんな人たちを歓迎します。……まずはお試しで一週間、体験入部、いかがでしょう」
長瀬さん
「異能との向き合い方は一つじゃないですよ。何もかも分からないなら、いっそ『堂々と飛び込む』って手も、あります」
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🔗関係リンク(校内ポータル)
四区祭2025『高校生向けボランティア募集ページ』
市立異能学園・西区本校『四区祭西校代表決定戦 エントリーについてのお知らせ』
異能バトル観戦ガイド『今年も来るぞ!四区祭 過去の名/迷シーン振り返り&お約束復習で備えよう』
編集後記(文責:新聞部・茅野優雅)
今年も“四区祭”の募集がスタート!
2025年の夏、新たな名勝負に期待が高まる!
……俺も今年はボランティアに挑戦してみようかな。内申狙いで人気高め、去年は即締切だったし(泣)
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