満たされないわたしのココロ【ショートストーリー】

砂坂よつば

芽生えた心

 高校1年生の夏。わたしは初めて彼氏ができた。彼の名は勇次ゆうじ20歳大学生。

わたしは浮かれていたんだと思う。

初めてのデートの日、彼は1人の女性と腕を組んで待ち合わせ場所に現れた。


寧々子「初めましてぇ〜。勇次の彼女、寧々子ねねこでぇす」


寧々子は金髪ロングヘアー。つけまつ毛の毛量が異常に多くそれでいて長い。意外にも付け爪をしていなかったが赤と白の水玉模様ネイルが可愛い。華奢なギャルだった。


じゅの「初めまして。じゅのです、あの彼女ってどういうことですか?」


寧々子「じゅのちゃん、よろしく〜。え?!マジ?!こいつから何にも聞いてないの?」


寧々子は勇次の肩を指差す。


じゅの「はい」


わたしは2人から話を聞く為、近くのファミレスに入りそれぞれ飲み物を注文した。

勇次が言うには、わたしや寧々子さんの他にも彼女が何人もいるようだ。

最近流行している小説の話で中国系宮中の皇帝の気分を味わってみたいなどと言って実行しているらしい。

寧々子はその事を理解しながらも付き合っているのだとか……。わたしは勇次の馬鹿げたことに付き合わされている事を知りすぐに別れた。


高校1年生の文化祭をきっかけに1年上のD川先輩に告白をした。1年生の終わりにデート中、偶然街中で会った彼の友達が放った一言で、わたしは彼への想いが一瞬にして冷めてしまった。


D川先輩の友達「おい、お前の彼女のEちゃん喫茶店にいたけど、行かなくていいのかよ?」


わたしはD川先輩を睨みつけ、そして足を靴で思いっきり踏んづけた。彼はその場でうずくまったがしったことではない。


じゅの「最っ低〜〜!!」


そう言ってわたしはD川先輩を振って別れた。

それから数ヶ月の間に取っ替え引っ替え、数人の男性と付き合った。最短で1日で別れた彼氏もいた。

高校2年生になった今、バイト仲間である同級生のF本君と付き合っているが今のところ浮気している感じは見えない。だけど……何か物足りない、満たされない気持ちになっていた。

わたしはこの気持ちを埋めたくて、F本君ではない違う誰を求めてしまっている。

もしかしてわたし……浮気しようとしているのかな。


(終)

※小田刈じゅの 17歳編※

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