かき氷シロップ
@tisato0923
第1話
「あんたの人生ってさ楽しいの」幼馴染にそう唐突に聞かれて目の前が急に真っ白になった。それは質問のようで質問でなかった。その場では軽く受け流したもののこの言葉が最近は頭の片隅に居座り続けている。実のところ私は幼馴染のことが若干苦手だった。いや小学校まではお互いうまくやれてた。しかし、そこから少しずつ何かが壊れていった気がする。付き合いが長くなればなるほどお互い相手の心に踏み込んでいった。心の深いところにあるものについても話せるようになった。まさに本当になんでも話せる相手になっていっているような気がして素直にうれしかった。親同士も仲がよかったため家族ぐるみの付き合いだったのでもはや友達というより家族に近かった。このころからずれてしまったんだ私たちの感覚は。相手の心のうちのものに手をつけすぎてその扱いがぞんざいになってしまったのだ。どれだけ大事におかれているものにも軽々しく手をつけた。それがどことない不快感を買った。それを繰り返し少しだった不快感も積もりに積もって嫌になってしまった。これはぶつかり合えば解決する問題でもないなと感じお互い少しずつ距離をおいてゆき今はいい感じに収まっている感じである。そんななあなあな感じでいいのかと思われるかもしれないが私はこれでよかったのではないかと思う。私が頭の中で思い描いたその他の選択肢での私たちの関係性の良さは理解できても何だかどれも過程に納得できなかった。これは私の自論なのだが納得より大事なものはない。理解だけでは行動に移すには私てきにはパワー足らずなのだ。
かき氷シロップ @tisato0923
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。かき氷シロップの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます