短い話の中に考えさせられる概念がふんだんに散りばめられています。ストーリーは切なく、見方によっては報われない話に見える。
ただ、彼の視点で考えればこの終わりでよかったのかもしれないとも思います。
魂を信じない人間が、魂があると信じるロボットを手厚く埋葬する。そこには、自分と考えの異なる人間に対する深い敬意がある。
ロボットには信仰が、男には誇りがある。誇りとは自分の納得を貫く姿勢。なればこそ、男は無神論を捨てずに、友を送ることができた。
その人生は、魂の有無を探す…納得を探す旅だったのだろう。答えはでなくとも、納得を探す姿勢自体が、誇りある生き方だと思ってやまない。
葬式とは、祈りであり、繋ぐ儀式。
ロボットは男に意志を託す。男は宗教家の心に在り方を残す。
繋いでいくこと、きっと生きるとはそういうこと。
いいお話でした!