第6話 僕のやりたいこと。
ページをめくってまず最初のページに、「春が好き」
と書いてある。一ページ丸々と使いその言葉だけが書いてあった。
きっと桜はこの日記を書き始めたときにわざとこの一ページを開けていたのだろうと思った。桜は話すときにはまず結論や、一番伝えたいことを最初に口にする。だから最初のこのページにこの文字が書いてあったときは涙が止まらなく、嬉しさと悲しさがあったんだ。
ページを捲り、読み始めた。
今日からこの日記に私の毎日の出来事を残したいと思います。
まず今日は売店に行ったら男の子がいたので話しかけました!
するとその男の子は私に「子」と言われたのに腹を立てたのか、自分の方が年上だと言ってきた。これは私も少しムカついたので私の方が年上だと、説明したが、お互いにそう思っていたから、年齢を聞くと、同い年だった!これは引き分けってことになった!
それから部屋の方に歩きながら色々な話をした、好きな食べ物や、学校の事。
楽しかったから部屋までの時間があっという間で少し時間が足りないと思いました!
ここで彼には私がもうすぐ病気が治るのだと嘘をつきました。
私の病気のことを話して相手してもらうのはなんか癪なのでね!
明日も遊びに行ってみたいと思います!!
僕は桜の日記を読みながら恥得てあった日のこと、それからのことを鮮明に思い出していた。またページを捲りどんどん読み進めていった。
二日目!!
今日も隣の部屋に遊びにいった。
朝早くから行ったからかな。なんか不機嫌そうな顔をしていた笑・・・・
・・・
三日目!!
今日は何をしようかと考えたんだけど
やっぱり隣の部屋に遊びにいくことにした!・・・
・・・
七日目!!
もう一週間も経ったのにいまだに名前を呼んでくれないから彼に文句を言ってやった
すると「僕も呼ばれたことがない」と言う
そりゃそうだよね、お互いに名前なんて教えていなかったから笑
でも私はすぐに彼の名前を口にした。「春。でしょ?」
お互いに名前を教え合っていないから知っているわけはないのに、、、
そんな顔をしていた笑実は私は彼の部屋の名前を見ていたから知っていたのだ!!
これは一本とってやったぞと思いそのまま私が名前を教えてあげようと思ったら
春が「桜だろ」と言ってきた。なんで知っているの!?と思い怖かったなぁ笑
よく考えたらお互いに部屋の入り口に書いてあるんだもん笑はじめからお互いに名前なんて知っていたんだね。笑
少し読んで
僕はこの時のことも鮮明に思い出した。
この時僕は桜が天然気質だと言うことに気が付いたんだ。
懐かしいなぁなんて思いながらしばらくの間読み続けた。
10日目。
春を外に連れ出した。春は日に日に体が弱っていってる。
春の病気は出会って一週間くらいの時に聞いた。
私は、春がいなくなるのが、怖いよ。
20日目
私自身、少し体がしんどくなってきました。
でも、春にはいえない。春は優しいから絶対に心配してくれるだろう。
でも、私には毎日の目標とかではなく、死ぬまでの目標がある。
春が少しでも長く生きていられるように私がサポートすること。
春が嫌いな食べ物をちゃんと食べれるようにすること。
春の笑顔を絶対に絶やさせないこと。私は春のために残りの命を
使いたい。そう決めたんだから、私の心配なんてさせている暇ない。
そして私は春が死んだら私が春の残りの人生も生きてあげるなんて出来もしない約束をしてしまった。本当は反対ならいいのにと思いながら精一杯に私の笑顔を春に向けた。少しは可愛いなんて思ってくれてるかな?笑
今日から私は寿命160年の人
春はもうすぐ死ぬ人となった。
そこから先の彼女の日記には辛いことなど一切書かずに
「僕との日比や、僕に対する文句のようなものが書かれていた。
僕は彼女の日記を見て自分のやりたいことがわかった。
僕は、僕のために時間を使ってくれた彼女の生きた証を残したいと。
今日から僕は今までの時間のことを自分の日記として残したいと思う
-寿命160年の君ともうすぐ死ぬ僕の話-
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