五月一日(月) 晴れ

 朝五時に目が覚めた。

 寝る場所が変わっても、習慣は変わらないみたい。


 いつもの様にトレーニングを終え、コンビニで朝食の材料を買ってきた。東さんに作らせたらどんなものか、考えるだけで恐ろしい。

 目玉焼きを作り、食卓に並べて言うと、東さんが起きた。卵を見て驚いていた。甘いものは久しぶりだという。どんな食生活だったのか……



 今日は朝からモニカちゃんのラジオが聞けて幸せな気分になったかと思いきや、東さんが豹変してタクシーに乗ることになった。

 昨日あれだけ乗りたくないって言ってたタクシーに乗るなんて、東さんってもしかしてかなり気まぐれ?



 タクシーの中で東さんの推理を聞いた。

 突拍子でどうしようもない話だと思ったけれど、よくよく聞いてみると確かにその通りというか、なんでそういう視点からみられるんだろうというか……


 「身近なところで子供が行方不明になっているのに知らないどころか無関心な答えばかり」

 東さんのその台詞には、呆れとも怒りとも感じるものを聞いた。


 そしてそのあと見せられた大量の札束には度肝を抜かれた!!

 後から聞いた話だと、あの日だけで600万円も賄賂に使ったとか……頭がくらくらしそうね。



 午後、事務所でご飯(もやし)を食べた後、東さんから指令を言い渡された。あのコスプレ侍の奥さんの動向を探ってほしいとのこと。

 尾行をするのは初めてだったけど、確かな証拠が見つけられて達成感があった。それと同時に、まさかあんなにあっさりと見つかるなんて思ってなかったからちょっと面喰っちゃった。



 その夜、東さんの言う通り、あのコスプレ侍が逮捕された。

 義人君ら、行方不明になった少年たちは無事に保護された。本当に良かったと思う。

 犯人が逮捕されるとき、とっさに逃げたのを見て私がすぐに追いついてタックルをしたら、東さんや警察の皆さんに褒められた。

 私が探偵として挙げた、初めての戦果だ。



 東さんは事務所に帰ると、いかに自分が探偵として優れているかを一分程語った上に、私に対してなぜあの黄色いジャージを着ていないのかと言い出した。

 あんなの一度着れば十分です!! って言っておいた。


 これから私が働くのは、ああいう人のそばなんだと考えると、なんだかよくわからない気分になった。

 あえて言葉に表すとするなら、二文字……



 「混」と「乱」!!

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