分かってくれる人
Iloha
第1話
大人も寂しいよ。
大人だから寂しいかもね。
今日は一人で桜を観に行った。
家族みんなでって思った。
だけど「いい」って夫も娘も脱落。
美味しい定食で満足したみたい。
信じられないよ、やっと咲きはじめたのに。
車に乗って一時間くらい、
川沿いや神社、公園を回った。
ここはまだ蕾、
日当たりのいい公園は八分咲き。
いつも行く神社の小さな枝垂れ桜は満開。
仕事の帰りにいつも友達と
ああでもない、こうでもないって
話すの楽しみだった。
でも今はお互い別の役割が出来て
会えなくなった。
毎日顔見てたのに。
本当に私達はいい年で、
性別も違っていて、
喧嘩も沢山した。
「君が嬉しいと僕も嬉しい」
そんなこと言われたのはじめてだった。
男女の仲じゃなくて、
本当に友達。
優しく気持ちのやりとりできたから、
今日のお花見寂しかった。
次の日、「こんなだった」って君に言えたから。
さっき、いっぱい撮った写真を夫に見せた。
少し喜んでくれた。
もっと喜んでほしかったな。
贅沢かなって考える。
「私が嬉しいと君も嬉しい」
そうなんだよねって時々思い出しながら、
お休みは素敵なものを見て、
頑張って仕事をして一生懸命生きています。
お互い忙しくなって全然会えない。
「忘れない」って言ってくれたなって
毎日生きてます。
次会ったとき、嬉しい顔見せたいからさ。
分かってくれる人 Iloha @Iloha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
珈琲/日向風
★31 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます