みんなでお風呂、前編
四人と一緒にお風呂に入る事になっちゃった! いいのかな、こんなことしちゃって? 元居た世界だと犯罪だよ! いや、女の子同士だから犯罪ではない? でもこの世界だと女の子と女の子が恋愛するのが当たり前だし……。
ま、まあみんなが良いって言ってるし、問題ないよね!
脱衣所で服を脱いでいると、横から視線を感じた。そちらを見るとミラちゃんが恥ずかしそうにこちらを見ていた。
「わお……」
ミラちゃんはこの中で一番大きい。ポヨンポヨンでふわっふわ。今までは服の上から想像するだけだったそのボリュームを、改めて直視した私は思わず感嘆を漏らした。
ミラちゃんは恥ずかしそうに顔を赤らめながら、私をチラチラと見て言った。
「わおってどういう感想よ、もう。トワも、その、魅力的だよ」
「「///」」
二人で照れていると、ハルカ姉が羨ましそうに「むぅ」と唇を尖らせた。カナちゃんとチヨは目を丸くして驚いている。
「やっぱりミラちゃんのは凄いね~。トワちゃんのも綺麗だし。それに比べて私は……はぁ」
「やっぱりミラ姉の破壊力はすごいね~。捕まったら窒息しちゃいそう!」
「こうして見ると、その凄まじさが分かるね。これでトワ姉を誘惑してるんだ」
「ちょっ、みんな?! そんなジロジロ見ないでよ、恥ずかしいじゃん!! それより早くお風呂に入ろ!」
「待って、入る前にシャワーを浴びてね」
「あ、はーい」
ミラちゃんが逃げるように湯船へ向かおうとしたので、手を掴んで制止する。先に体を洗ってからだよ。
ちなみにシャワーは底に小さな穴をあけた桶を釣り下げて作っている。今は人力で水を汲み上げなきゃいけないのだけど、将来的には高所に設置したタンクからお湯を流す仕組みにしたいと思っている。
だけど、直ぐに壊したり組み立てなおしたり出来るように設計するのが難しくって……。遊牧民の悩みだよー。
さて、友達と一緒にお風呂に入るなら是非してみたいことがあったの。その夢を今日実現してみせる!
「ねえ、ミラちゃん。洗いっこしない?」
「にゃ?! も、もちろんよ!」
「やった、洗いっこってものにずっと憧れてたんだー!」
そう、洗いっこをしてみたかったの! 漫画やアニメなら友達同士で洗いっこするシーンを見て憧れていたんだけど、実際には幾ら仲の良い友達同士であっても日本だと洗いっことかしないよね。……しないよね? それとも、ただ私に親しい友達がいなかっただけ?
ま、まあ真相はさておき。とにかく私は、ずっと友達同士で洗いっこしてみたいって思っていたの! ここで叶って私は本当に幸せだよー!!
ミラちゃんと一緒にシャワーへ向かっていると、ハルカ姉が追いかけてきた。私達をビシッっと指さして「ちょーっと待った!」と言った。
「ミラちゃん、抜け駆け禁止~! 私もトワちゃんに洗ってもらう!!」
「ハ、ハルカ姉?! 違うよ、これはトワに誘われただけで……」
「ハルカ姉、走っちゃ危ないよ! 私は逃げないから、ね。それじゃあ三人で洗いっこしよっか?」
「やった~!」
「カナちゃんとチヨも一緒にどう?」
遅れて浴室に入ってきた妹たちにミラちゃんが声をかけた。二人はコソコソと何か話し合った後、カナちゃんが言った。
「ん~。私はチヨちゃんと洗いっこしようかな? 待ってると寒いし」
「そうだね。トワ姉とは後で遊ぼうね」
「だね! トワ姉、約束だよ!」
「は~い♪」
四方を囲っているとはいえここは屋外。身体を洗うのに時間をかけてたら、体が冷えちゃうよね。妹達とは湯船に浸かってから遊ぶことにしよう。
「ごしごし」「ごしごし」
「人に洗ってもらうのって、気持ちいいね」
「そうだね。んっ、けれどちょっとくすぐったいかも」
今はミラちゃん、私、ハルカ姉の順番に並んで、ハルカ姉が私の背中を洗って、私がミラちゃんの背中を洗っている状態。んー、人の手で触ってもらうのって何とも言えない心地よさがある~。
うる覚えだけど「手当て」という言葉は、古くより治療の一環として痛がっている部位に手を添えてあげる事で癒していたことが語源と言われていると聞いた事がある。きっと人類には「人の手を心地よく感じる」という遺伝子が引き継がれているのだろう。
「そろそろ交替する?」
「そうだね、よいしょっと」
ミラちゃんがくるっと180度回ってこっちを向いた。私もくるっと回ろうとして……ミラちゃんの
「……」
「……」
「しゅ、しゅごい……」
「もうっ! は、早く向こう向いて……」
「ご、ごめん。つい……」
慌てて私はくるっと回った。今度はハルカ姉と向かい合わせになる。ハルカ姉は自分のスタイルに自信がないみたいだけど、十分綺麗で魅力的だと私は思う。思わず見惚れてしまうくらい。
「……」
「……」
「ハルカ姉?」
「! えへへ、つい見惚れちゃったよ~。くる~」
ハルカ姉も180度回って私に背中を向けた。
ちなみに、前は各々自分で洗った。前を洗いっこするのは――なんというか一線を超えている気がしたから。
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