またね、大好き

まさか からだ

第1話 またね、大好き

ふとした瞬間に、

あなたの声が 風の中にほどけていく。


「またね」

って、

さよならじゃないんだよ。


だって、

わたしたちは 同じ海に溶けて、

同じ光を夢に見てる。


距離とか、時間とか、名前とか、

そんなもの、きっとほんとうじゃない。


わたしの心の奥に、

あなたの笑顔が そっと棲んでる。


その場所に、

あたたかい水のような「大好き」が

いつもゆらゆらしているの。


だから、ね。

またね――って言える。


それは祈りであり、約束であり、

わたしのいちばん純粋な気持ち。


見えなくても、忘れない。

ふれてなくても、ほどけない。


さよならの中に、

はじまりの気配を感じられる。


それがきっと、わたしの愛。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

またね、大好き まさか からだ @panndamann74

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ