修理BOX

「これあげる！」

今日は新ヶ丘小学校で６年に一度行われる100問テストの前日だ。

桑子悠馬（くわこ ゆうま）が100問テストのためにテスト勉強をしていたときに、隣の席の誠（まこと）はそう言った。

悠馬は誠の手の中をそっと見る。

「これ何？」

誠が少し興奮じみた声で答える。

「修理BOX。これすっごく良いんだよ！」

気になった悠馬は貰ってしまった。

次の日の朝、悠馬はお母さんの破れた服を修理BOXの中にいれる。

「おー！本当に直った！」

悠馬は大喜びしてどんどん壊れたものや、破れた服を入れた。

そしてその日の夜、学校から帰るとお父さんとお母さんが大喧嘩していた。

（やばい！このままだと離婚するかも！）

そう思った悠馬はお父さんとお母さんを修理BOXに入れた。

お父さんとお母さんが吸い込まれていく。

お父さんとお母さんがあっという間に消えた。そのかわりに仲良く手を繋いだ二人の人形が入っていた。

「お父さんとお母さん仲良くなってよかったね♡」

悠馬はそう言って寝室に行った。

次の日、悠馬は学校で友人の亮太（りょうた）に言った。

「これあげる！」

悠馬は既視感を覚えた。