第50話

「あ?!」


思わず大声が出る。



「熱、測った方が良いのでは?」


「要らねぇよ!熱なんかねぇよ!」



ーーーつーか、何でお前は表情一つ変わらねぇんだよ!!!



野々村夏実の何でもない、本当の本当に何でもない様な顔に段々と腹が立ってくる。



今まで女にこんな風にあしらわれた事なんかねぇ、俺がハグだのキスだのすれば、何かしら反応されて来た。


ここまで何でもないような素振りをされた事がねぇ。



ーーーコイツは本当に、1ミリも俺の事をなんとも思ってねぇらしい。




……つーか、そんな事言ったら、まるで俺がコイツになんか思われてて欲しいみてぇじゃねぇかよ!!!!




「あり得ねぇ!!!!」



自分の思考をぶった切る様に叫んだ俺。



「急に叫ばないで下さいよ」



「近所迷惑ですってば」と野々村夏実は迷惑そうな顔をして言った。



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