第9話

慌てて後退る。


「てめっ、エマお前、もっと優しくやれ!!!」


「だって分かんないんだもん!」


「そーっとだよそーっと!」


「そーーっと?」


再びエマが頰に手を伸ばし、そーっと湿布を剥がす。

そして貼り付け直す。



…が、そーっとし過ぎて今度はぐちゃぐちゃのまま湿布が貼り付けられた。



「…で、きない!」


「たった一回の失敗で諦めてんじゃねぇ!」


「できない!やめた!なっちゃんやって!」



一瞬で飽きたらしいエマが野々村夏実にバトンタッチする。


「あんま貼ったり剥がしたりすると粘着力が無くなります。」


「や、やめろっ!」


「子供じゃないんですから静かにした下さい。」



ーーーこれじゃエマに頼んだ意味がねぇじゃねえかよ!!!


俺は必死に顔をひん曲げて、


「お前に貼られたくねぇんだよ!!!」



と叫んだ。





すると、野々村夏実の動きが固まった。



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