第116話

ダイキが何とも言えない顔をする。

こりゃやべぇ。


いつもなら、エマの言う事は出来る限り聞いてやりてぇ俺だが、今日は無理だ。

俺は今日ボランティアでここに来てる。

エマだけの世話をしに来てる訳じゃ無ぇ。


センセー達の手伝いと、他のガキ共の世話をしに来てっから、エマだけを甘やかしたりヒイキしたりする訳にいかねてぇ。

子供同士の仲を保つっつーのも、多分保育士の仕事だ。




「ンなこと言うなエマ、せっかくダイキが来てくれたんだぞ?」


「…でも、ゆうがいいもん…」



「エマ、俺は今日センセーなんだよ、エマの王子様で居られるわけじゃねぇんだよ」


「でも、ゆうはゆうじゃん」


「そーなんだけどよ」


「エマのゆうだもん…」


「……そーなんだけど、よぉ…」



だが、エマにはそんな事全く関係ないらしい、というか、そんな事情、ガキに分かる訳も無くて。


初めっから躓いちまった。



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