第91話

「まぁ、今日はやめとけ。良くなったとは言え、菌がウヨウヨしてっからよ。エマに移ったらやべぇだろ?」



「……はい。」



頭を撫でられたまま俯いたままの夏実。



「おい夏実」



「…はい」



名前を呼ぶと、力なく顔を上げた夏実。



「んな顔すんじゃねーよ」


「…私変な顔してます?」


ーーもともと…おっと



「キスすんぞ」


「え?」


「早く普通に戻らねぇとキスすんぞ」


「……」



夏実は少し眉間にシワを寄せた。

おーおー、戻ってきた。



「え、エマ!おやつは家にあるから買っ

ちゃダメだからね!」



夏実は撫でられていた頭をスッと避け、とっくにアイスコーナーから消え去っていたエマの方へ早歩きで向かって行った。



俺はそんな夏実の後ろ姿を見つめる。



夏実がお菓子コーナーへ向かう為、角を曲がるとき、チラッと夏実の横顔が見える。





「……え」






ーーー夏実の顔は心なしか赤くなってる気がした。




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