この先どうなるのか?

 アメリカ株が一時急騰したものの、いま混乱が続いています。トランプ政権の関税がきっかけだと報じられていますが、実はもっと深い理由があります。

 二〇二五年までのアメリカ株の価値があまりにも高く膨らみ過ぎていて、それを財政支出で支えることをトランプ政権が拒んだことが、株価下落の本質だと考えられています。特に大事なのは、財政赤字を埋めるお金を国民から取るのではなく、外国人に一部負担させる関税を選んだ点です。


 投資家のジェフリー・ガンドラック氏は、一九八〇年代から九〇年代に始まった「双子の赤字」、つまり貿易赤字と財政赤字が、今の問題の根っこだと指摘します。

 トランプ政権は、関税で貿易赤字を減らし、支出削減で財政赤字を抑えようとしています。バイデン政権時にGDPの七パーセントまで膨らんだ財政赤字を、スコット・ベッセント財務長官は三パーセントまで下げる目標を立てました。

 これはGDPの四パーセント分もの大きな改善が必要ということです。でも、金利が上がって国債の利払いが増える中、ただ支出を減らすだけでは足りません。

 そこでトランプ政権は、国民が全額払う所得税や消費税ではなく、関税という形で外国にも負担を分担させる道を選びました。

 この選択は、国民への負担を減らしながら財政を立て直そうとする工夫です。

 でも、市場や国民はその意図を理解せず、関税に反発して株価が大きく下がってしまいました。ガンドラック氏は「まだ支出削減は少ししか進んでいない。例えば二〇〇〇億ドル減らしても、必要な二兆ドルに比べれば小さな額だ」と言い、「関税をやめるなんてあり得ない。トランプ政権は本気だ」と続けます。


 二〇二五年四月九日、トランプ大統領は「報復しない国への相互関税を九十日間保留する」と発表しました。七十五以上の国がアメリカとの交渉を求め、報復を控えたことを受けた措置で、期間中は関税率を一律十パーセントに引き下げます。ただし、中国への関税は逆に百二十五パーセントに引き上げられ、対中強硬姿勢を鮮明にしました。この動きで市場は一時急騰し、ナスダックは十二パーセント上昇(二〇〇一年以来最大)しましたが、すぐ後にEUが四月十五日からアメリカ製品に二十五パーセントの報復関税をかけると発表し、混乱が収まるどころかさらに広がっています。


 トランプ政権が関税を通じて二兆ドルの歳入を目指す場合、具体的な期間を見積もるにはいくつかの前提を考える必要があります。

 まず、二兆ドルという数字は、財政赤字の削減や減税の財源として関税収入を活用する意図があると仮定されます。しかし、関税による収入は、輸入額や関税率、経済全体の反応に大きく左右されます。

 現状では、トランプ政権が二〇二五年一月に始まり、四年間の任期を全うすると仮定。米国が年間に輸入する総額は約三兆ドル前後(二〇二四年時点の推計)で、関税率が平均一〇%から二五%程度に引き上げられると想定されます。

 単純計算で、もし年間三兆ドルの輸入に二〇%の関税を課した場合、年間約六〇〇〇億ドルの収入が見込めます。このペースなら、二兆ドルに達するまで約三年から四年かかる計算です。つまり、二〇二五年から関税を続けると、二〇二八年から二〇二九年頃に目標達成が視野に入ります。

 二〇二五年三月までの関税収入は約一五〇〇億ドルと見込まれていましたが、九十日保留で一部国の関税が下がり、中国への百二十五パーセント関税やEUの報復で輸入が減る可能性があります。年間六〇〇〇億ドルペースなら二〇二八年後半が現実的ですが、混乱が続けば二〇二九年以降にずれ込むリスクも高まっています。


 ただし、現実はそう単純ではありません。関税が上がれば輸入が減り、企業が他国からの調達に切り替える可能性があります。また、報復関税や物価上昇による経済への影響も考慮が必要です。たとえば、ジェフリー・ガンドラック氏が指摘するように、市場の混乱や株価下落が進めば、政策の見直しを迫られるかもしれません。仮にトランプ政権が一期四年で終わり、後継者が同じ政策を継がない場合、二〇二九年一月で終了する可能性もあります。

 二〇二五年三月までの関税収入は約一五〇〇億ドルと見込まれますが、九〇日保留で一部国の関税が下がり、中国の報復で輸入減が進む可能性も。年間六〇〇〇億ドルペースなら二〇二八年後半が現実的。ただし、中国への一二五パーセント関税が輸入をさらに減らせば、二〇二九年以降にずれ込むリスクもあります。

 一方、もしトランプ氏が影響力を保ち、たとえば副大統領候補のヴァンス氏が後を継いで関税政策を続けた場合、さらなる八年(二〇二九年から二〇三七年)続く可能性もゼロではありません。その場合、二兆ドルを超える収入を得るのは二〇三〇年代初頭になるかもしれませんが、経済や国際関係の変動次第では目標達成前に政策が変更されるリスクもあります。

 結論として、関税が二兆ドルに達するまで続けるなら、最短で二〇二八年頃、最長で二〇三〇年代初頭まで続く可能性があります。ただ、これは経済状況や政治の展開に大きく依存するので、確実な予測は難しいです。


 過去四十年間、金利が下がり財政支出が増えることで株式市場が支えられてきましたが、その土台が今、揺らいでいるのです。

 投資の専門家たちは「増税は難しいから、株価の過熱を続けるしかない。でもその結果、物価がまた上がる」と予想していました。ポール・チューダー・ジョーンズ氏も「政府の借金は物価上昇でしか解決できない」と警告。

 でも、ベッセント財務長官は関税での増税を選び、投資家の楽観的な考えを裏切りました。彼は「トランプ大統領は物価上昇を抑えるために株価を犠牲にしている。これからは一般の人々の番だ」と語ります。

 国民への負担を避け、外国に一部を押し付ける関税で、ウォール街ばかりが儲かる時代を終わらせようとしているのです。

 ガンドラック氏は「双子の赤字を解決するのは大変で、危険な資産には厳しい相場になる」と予測し、S&P 五〇〇が四五〇〇ドルまで下がる可能性を挙げます。また、レイ・ダリオ氏は『世界秩序の変化に対処するための原則』で、借金が多い国は物価上昇と金利上昇で危機に陥ると警告しています。金利がゼロのままなら政府の借金は問題ないように見えますが、物価が上がって金利が上がれば、利払いだけで財政が苦しくなります。

 ちなみに、これは日本のことです。

 金利が上がれば、銀行だけでなく住宅ローンはもちろん、国債の金利も上がります。国債発行の乱発ができなくなるわけです。

 日本では、二〇二五年三月の消費者物価指数が四・五パーセント上昇するとの予測が現実味を帯びており、輸入物価上昇で生活コストが跳ね上がる懸念も出ています。

 トランプ政権の関税は、国民を守りつつ赤字を外国に一部肩代わりさせる作戦です。でも、その思いやりさえ伝わらず、市場は混乱しています。株価がずっと上がり続けると信じるのは、金利が下がる時だけの話。この政策の転換は、歴史を変える大きな分かれ道になるかもしれません。



◆この先の世界

 世界や日本がどうなるか、誰も言い当てられません。

 私たちは占い師でもなければ、先読みの能力者でもないのですから。

 かつて、ドイツの初代帝国宰相オットー・フォン・ビスマルク「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言いました。

 ここは先人の言葉に習い、歴史から学ぶのも一つの方法です。


 一九二九年(昭和四年)の株価暴落後に誕生したアメリカの「スムート・ホーリー関税法」に、フーバー大統領が署名。他国の報復関税を招いて教皇は悪化し、第二次大戦の遠因となりました。高関税でアメリカ経済は回復するはずだったと、フーバー氏は死ぬまで信じていたといいます。「欧州の軍事支出が増えたから財政破綻によりインフレが起きたのであって、悪いのはアイツラでアメリカは悪くない」と。

 歴史はくり返す、といいます。

 時を経て九十六年後の二〇二五年(令和七年)、トランプ大統領が「相互関税」を発動しました。西欧は米支援喪失を恐れ軍事費を増やし、中国は報復関税で応戦、「関税戦争を仕掛けるなら最後まで戦う」と宣言。米中の対立は台湾海峡での衝突を誘発しかねず、アメリカは日本に軍備増強を迫り、自らの負担を軽減しようとしているのでしょうか。

 はたして、歴史はくり返すのでしょうか。

 九十日保留で一部国の関税が十パーセントに下がりましたが、中国への百二十五パーセント関税とEUの二十五パーセント報復関税で対立はさらに激化。中国外務省は四月九日、「アメリカの保護主義は世界経済を破壊する」と非難し、報復を強める構えです。

 第二次大戦前、日本は米国の石油禁輸で戦争へ突き進みました。今、アメリカは中国に同じ手を仕掛けているのでしょう。各国の為政者の思考は戦前と変わらぬままだと、かつて国連職員が警告していたのを思い出します。

 トランプ大統領は関税策が思うようにいかなかったとき、フーバー氏のように「悪いのはアイツラだ」というのでしょうか。


 経済的には、トランプ関税みたいな保護主義がまだまだ影響を広げそうです。

 中国や韓国、台湾は輸出が減って経済が苦しくなり、中国は成長率が三・五パーセントまで落ち込む予測もあります。

 アメリカは関税で国内を守ろうとしているが、消費者物価が上がったり、貿易戦争が長引いたりして、世界全体の成長は二・六パーセントくらいで安定するものの、かつての勢いはありません。IMFや世界銀行も、インフレが落ち着いても貿易の不確実性や地政学リスクで伸び悩むと言ってます。

 日本経済は、トランプ関税の影響で輸出産業、特に半導体や自動車が苦しくなる可能性があります。関税が中国に五十四パーセント、メキシコやカナダにも二十五パーセントかかってる中で、日本も直接ではないにせよ、世界経済の混乱に巻き込まれそうです。

 九十日保留で日本への関税は十パーセントに下がりましたが、七月八日以降の再開リスクが残り、輸出企業は警戒を強めています。

 経済産業省は四月九日、半導体サプライチェーン多元化を加速し、TSMC熊本工場第二期計画を二〇二六年稼働目標で前倒ししました(NIKKEI)。

 IMFの予測では、世界成長率は二〇二五年で三・三パーセント、日本は一・一パーセント程度と低め。円安が進めば輸出は多少助かるかもしれないが、輸入物価が上がって生活コストが跳ね上がるでしょう。

 実際、二〇二五年三月の消費者物価指数は四・五パーセント(米と卵のせい)上昇もあるくらいで、インフレが家計を圧迫しそうです。

 労働力不足も深刻で、少子高齢化が進む中、外国人労働者に頼る流れは増えるけど、賃金の高い国に流れる技能実習生も多くて、日本が「踏み台」扱いされるリスクもあるみたいです。厚生労働省は四月九日、外国人介護士の受け入れ枠を年間二万人に拡大する案を提示しています(NHK)。

 一方、日本はEUやアジアとの連携を模索し始めてます。二〇二五年四月八日、石破茂首相はEUのフォンデアライエン委員長と電話会談を行い、トランプ関税への共同対応や自由貿易の維持を確認(NHK)。EUとのEPA(経済連携協定)を強化し、中国や韓国とRCEPを活用することで、アメリカ依存を減らす動きが現実味を帯びてきました。

 ドイツは「インド太平洋戦略」で日本との共同訓練を提案(REUTERS、四月八日)。

 SNSでは、「円安が一ドル百六十円を超える」との声が広がり(四月九日トレンド)、企業は輸出競争力を維持しつつも、輸入コスト増で利益が圧迫されるとの懸念が強まっています。経済産業省は四月九日、半導体サプライチェーンの多元化を加速する方針を発表(Nikkei)、TSMCの熊本工場第二期計画が前倒しで進むとの報道も。



 地政学的には、緊張がやばい方向に進んでる気がします。

 中国が台湾に圧力をかけてて、二〇二五年末には衝突リスクが四十パーセント、二〇二六年には五十パーセントなんて予測も出てる。

 防衛省は四月九日、台湾有事を想定したシミュレーションを強化し、海上自衛隊が米豪と共同演習を計画(JIJI)。中国外務省は「日本の軍事拡大は不安定要因」と批判(XINHUA、四月九日)。

 中国への百二十五パーセント関税で米中対立がさらにエスカレートし、台湾海峡での緊張が高まる懸念が強まっています。

 北朝鮮もミサイル撃ったりしてて、韓国との衝突リスクが三十パーセント超えてるし、ロシアはウクライナでまだゴタゴタしてる。

 中東もイランとイスラエルの対立が続いてて、地域紛争が広がる可能性は三十五パーセントくらい。これらが全部絡み合って、局地的な戦争がポツポツ起きたり、最悪グローバルな衝突に発展したりするかも。

 日本周辺での戦争リスクは、北朝鮮のミサイル発射や中国の台湾圧力が怖いところ。北朝鮮は二〇二五年末で韓国との衝突リスクが五十五パーセント、中国は台湾で六十パーセントって予測もあるから、日本が巻き込まれる危険はゼロじゃない。

 アメリカが関税で孤立主義に走る中、日米同盟の力もちょっと頼りない感じがします。ぶっちゃけ、沖縄や九州あたりで何か起きてもおかしくない雰囲気はある。

 ただ、日本はEUやアジアとの外交を強化してリスクを分散しようとしてます。EUとの安全保障対話が進み、二〇二五年四月八日にはドイツが「インド太平洋戦略」の一環で日本との共同訓練を提案(REUTERS)。中国への対抗軸として、アジアのASEANとも連携を深める動きが加速しそうです。

  四月九日、防衛省が台湾有事想定のシミュレーションを強化し、海上自衛隊が米豪と共同演習を計画(JIJI)。SNSでは、「北朝鮮のミサイルが日本海に落ちるリスクが現実的」との投稿が増加。中国外務省は九日、「日本の軍事拡大は地域の不安定要因」と批判(XINHUA)、日中関係の緊張も表面化している。



 社会的な面だと、不満が爆発してる国が多いです。

 中国ではデモが起きてたり、難民申請が百五十万人超えてたり、韓国でも政治の混乱で若者が怒ってる。

 アフリカや南米でも貧困や暴動が増えてて、みんな生活が苦しいからポピュリズムが強まって、分断がひどくなる一方です。

 気候変動もあって、洪水や干ばつで食料不足が深刻化して、もっと人が動くかもしれない。気象庁は「二〇二五年夏の記録的猛暑で食料価格上昇リスク」と警告しています。

 日本社会だと、政治の不安定さが目立ちます。

 尹錫悦みたいに韓国で大統領が罷免されたように、日本でも石破茂政権が少数与党でグダグダしてる。SNSでも「若者の政治参加で五十五年体制が終わる」なんて声もあるけど、実際は若者の投票率が上がっても劇的な変化はすぐには来ないかも。人口減で地方はどんどん衰退してて、東京に人が吸い上げられる流れは止まらない。外国人比率が二〇四五年には一割を超える予測もあるけど、都市部ではもっと高くなって、二割とか三割になる可能性も。文化的な摩擦や格差が広がりそうです。

 九十日保留で一部国の関税が下がりましたが、EUの報復や中国との対立で輸入物価上昇が続き、厚生労働省は四月九日、外国人介護士の受け入れ枠を年間二万人に拡大する案を提示(NHK)。これで労働力不足を補う一方、文化的統合の課題も増えそうです。



 明るい面もあります。

 AIや再生可能エネルギーの技術が進み、一部の国や企業はそれで成長するかもしれない。インドみたいに六・七パーセント成長など頑張る国が出てきても、。世界全体を引っ張るほどかは微妙で、格差がもっと広がる可能性もあります。

 日本企業がAIや再生可能エネルギーの分野で頑張れば、経済の起爆剤になるかもしれない。半導体でTSMCが日本に進出してきたように、外資との連携で盛り返す可能性もある。ただ、それで全体が良くなるかは微妙で、大企業と地方の格差が開くだけかもしれない。

 四月九日、経済産業省がAI半導体開発に五千億円の予算を追加投入する方針を発表(REUTERS)。SNSでは「再生可能エネルギーで日本がリードするチャンス」との楽観論も出てきてます。



 正直なところ、この先五年くらいは混沌としそうです。

 世界経済は停滞気味で日本経済も低成長、関税や報復の応酬で市場が乱高下し、地政学的に見ても戦争リスクは高まるし、社会は不安定でギスギスしていく。

 でも、どこかで国同士が協力するか、政策の上手い舵取りをしたり、技術で打開策が出てきたりすれば、少しは持ち直すかもしれない。結局、どの道に進むかはリーダーたち政治家や企業の選択や動き、世界の流れ次第なのかもしれない。

 SNSで「九十日保留で株価が上がっても一時しのぎ」との声が広がり、EUの報復や七月八日以降の再開への不安が根強い一方、「日本が国際協調で生き残る道を模索すべき」との意見も見られます。

 戦争だけはならないよう、切に願います。

 



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