きみの背中は、嘘をつかない
まさか からだ
第1話 きみは幸せでしたか?
きみの「好き」は
いつも静かだった。
言葉にしないまま、
行動で、誠実さで、
わたしの隣にいてくれた。
決して派手ではなくて
でも、確かに温かかった。
約束を守ること、
仕事を頑張ること、
一緒にいる未来を、
ちゃんと考えてくれること。
わたしは、
そんなきみに気づくのが遅かったかもしれない。
もっと感情をぶつけ合うことが
「愛」だと思っていたから。
だけど今、思う。
ほんとうの愛って、
「社会」という荒波の中で、
ふたりで立ち続ける力なのかもしれない。
きみの愛し方は、
しずかに、つよく、地面に根を張っていた。
だから、ふと風が吹いたとき、
その重みを思い知るんだ。
ねえ、きみは
あの頃、幸せでしたか?
わたしといて、
笑えていたかな。
わたしは今も、
きみのくれた
不器用なあたたかさの中に、
ときどき帰りたくなるんだよ。
きみの背中は、嘘をつかない まさか からだ @panndamann74
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