9話 舞踏会 その後
「パキラ……お前は……」
「なんで毎回こうなのかしら……?」
「お姉様らしいのです……」
議題の中心となっているのは
表紙を飾っているのは舞踏会での
【黄金の拳を持つ四大貴族! その拳で貴族を守り抜く!】
「仕方なかったですの! あの場で動けるのは
「別に責めている訳ではないのだが……ステージにひびを入れた件については後で聞くとする」
あ。
「今、世間はお前の話題で持ちきりだ。しばらくは、止まないだろうな」
お父様、辞めてください。分かっています。自分が何をしでかしたのか。魔法が使えない四大貴族という身分で、出しゃばりすぎたとは思っています。
「そしてパキラ。これが何か、分かるか?」
お父様が指をさした先には、山のように積まれた箱の数々。つい最近までこんなものはありませんでしたわ。
「……いえ、分かりませんわ」
「これは、各地の貴族からの謝礼品よ。貴方が守った貴族からの、ね。中にはセピア家からの品もあるわ」
あいつ……。そういうところはちゃんとしているのですわね。少しだけ見直しましたわ。本当に少しだけ、ですけれど。
「今回の一件で、ライムライト家と交流を持ちたいという貴族が増えた。勿論それは喜ばしいことなのだが……」
「一気にここまで増えるなんて誰が想像できるか! 私たちを過労死させる気か!」
「待ってお父様! 不可抗力! 不可抗力ですわ!」
執務室に積み上げられた、こちらも山のような書類の数々。これ
「でもまあ、実際そうよね……パキラが動かなかったら大事件では済まなかったんですもの……」
「お姉様、新聞に載る時毎回変な二つ名を付けられてるのです……」
辞めてサニア。そこは私も地味に気にしているところなんですの。筋肉令嬢に引き続き、今回は黄金の拳を持つ四大貴族。センスどうなってるんですの?
「と、いうことなのでこれからしばらく私たちはデスクワークよ。ペース次第ではパキラにも手伝ってもらうかも」
「あ、はい。分かりましたわ……」
「いいのよ、貴方がそれだけ大きなことを成したということですもの。誇らしいわ」
「さっきはああ言ったが、誇らしいことであるのは事実だ。では、我々は仕事に戻るとしよう……」
哀愁に似た何かを漂わせながら執務室に戻っていくお父様とお母様。なんか、本当に申し訳ないことをした気分ですわね……。
――――――
――――
――
「カッカッカッ! 黄金の拳を持つ四大貴族ときたか! 貴様も随分と言われるようになったもんじゃのう!」
「笑いごとじゃないのですわ! このままでは
「それだけのことを成したということよ。儂も弟子が優秀で鼻が高いわい」
「他人事で済ませないで欲しいのですけれど……」
「だって他人事じゃしのう。ほれ、今日の稽古を始めるぞ」
まあ、いいでしょう。いつもの日常が戻ってきたということです。そうして今日も穏やかに稽古に励む
かと思ったのも束の間。稽古場に派遣されてくる我が妹サニア。
今日のお勉強はもう終わったのかしら? 随分と早いですわね~。
「お姉様、お父様とお母様がお呼びです。至急書類の整理を手伝ってくれとのことです」
……。
まあそうですわよね!
「えっと~。クチナシ様? 今日の稽古はここまでということで~……」
「はぁ。貴族の嬢様となると大変じゃのう。ほれ、行ってこい」
「迷惑を掛けますわね……では、行ってきますわ~!」
その後、執務室に待ち受けていたのは顔面蒼白のお父様とお母様。そして未だに積みあがっている書類の山。
……うん。これは猫の手も借りたい状況ですわね。
「ああ……パキラ、来たか……少し頼んだ……」
「ごめんなさい…‥私たちしばらく休むわ……その間、お願いね……」
机に突っ伏し始めるお父様とお母様。ゆっくりとお休みください……。
そして、それから二時間ほど。書類の山をげんなりとしながら処理し続ける私。不思議なことに体力だけは余裕があるので、仕事を続けられてしまうのです。
「……はっ。今何時……?」
目を覚ますお母様。おはようございます。
「夕方四時くらいですわ、お母様」
「てことは二時間も休んでいたのね……長い間任せて悪かったわね、パキラ」
「いいのです。元はと言えば
「じゃあ……頑張りましょうか。お母様」
「……ええ、そうね」
そして三十分後、続いて目を覚ましたお父様と三人で夜まで書類とにらめっこするのでした。
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