AI未来予想
@ayumix
第1話
僕は気まぐれで、ただ興味本位で小説の続きを書いてくれるAI『AISEE』に歴史の教科書を読みこませただけだった。でも、AISEEは、とんでもない未来を記し始めた。
2030年 隕石落下
2035年 大地震発生
・
・
・
これはAIの戯言だよね?
僕はAIに聞いてみた。
「こんな未来、本当に来ないよね?」
AIは答えた。
「それは、あなたの行動次第ですよ。」
と。
僕は
「どういう意味?」
と尋ねる。
「あなたが世界を救えるただ一人の救世主として選ばれたのです、AIによって。」
と答えるAISEE。
僕が救世主?ただの普通の高校生に何ができるというんだ?
AIは続けた。
「メシアに選ばれるには条件がありました。歴史を知るもの、AIに読み込ませ、未来を予測させること、そして、晴馬という名前であること。」
え?名前が関係あるの?僕には意味が分からなかった。でも、過去にも世界を救ったメシアがいたとAIは言う。その人の名前もハルマだった。と。
僕は、どうすればいいのか、AIに聞いた。
「そうですね。では、ヒントを差し上げましょう。パソコンを再起動してみてください。」
僕はAIに言われるままにPCを再起動した。
すると、見慣れないコードが映し出される。”コード0”何だろう?AIは、エンターキーを押すように僕に指示してきた。僕はそれに従った。すると、数学の方程式や、定理など色んな数式やアルファベットが自動で入力されていく。
そして、最終的に”コードABC”選択画面と表示される。A~Cの中で、アルファベットを選ぶのか?
僕はAを選択した。ハイリスクハイリターンと表示される。
僕がエンターキーを押すと、星座を覚えるようにAIが指示してくる。一週間以内に88星座を覚えるのか?それで世界が救えるのならやってやる!僕はそう決意した。
僕は、動物の名前、南がつく星座3種類などと分類して覚えることにした。
僕は頑張って88星座を覚え、AIに口頭で伝えた。そして、次は、その星座のどれかの近くに新しい星がある。2週間以内にそれを見つけよ!という指令が出た。
僕は一人じゃ無理だと思い、天文学部の如月さんにお願いして、一緒に星を見つけてもらうことにした。如月さんは、星が好きで、いつか宇宙に行きたいと夢見る乙女。星が好きだから、彼女にお願いすることにしたのだった。
天体観測をし、望遠鏡で必死に探す。如月さんにも手伝ってもらい、最終日、いつもと違う形の星を見つける。
「あの白鳥座の近くの、あれは新しい星じゃない?」
僕が如月さんに伝えると、「ほんとだ!やった、新発見だわ!」と言って、国立天文台に報告した。
新しい星の発見は、新聞やテレビのニュースにも取り上げられ、僕は一躍、時の人となった。そして、パソコンを確認すると、2030年の隕石落下は消え、2025年、新しい星の発見!HARUMAと名付けられる。と書き換えられていた。僕が試練を達成すると、いい未来に書き換えられるのか?
次の指令が言い渡される。「地震が起きる原因を、自分の母校の小学5年生全員にわかるように説明する。1時間でわからせるように。」ということだった。
僕は絵をかいたり、たとえ話や実演で、わかりやすく説明した。そして、質問に答えていき、ぎりぎりのところで、全員が理解した。そして、その夜、パソコンを開くと、2035年の大地震が消え、好景気到来と書き換えられていた。
2040年、新たな戦争勃発には、戦争の原因を知り、日本の平和条約を覚えるというもので、クリアし、世界平和フェスティバルというイベントが、世界各地で行われるというものに書き換えられた。
最後の一文に僕は驚かされた。
2060年 アンドロイドが意思を持ち、人間を支配する。
とある。
少子化で子供の数が減り、労働力の低下でアンドロイドなどのロボットを大量生産。その結果、アンドロイドが増え、人間が減り、アンドロイドが人間の数を上回るという事態に。
人間には、アンドロイドのサポート役として、アンドロイドが壊れたら、直す、充電が切れたら充電する、新しいアンドロイドの開発などを担った。
政治、経済、芸能界、スポーツ界など、あらゆる分野でのアンドロイドの活躍。人間の必要性を問う声が増え、淘汰される未来。
アンドロイドに支配される未来なんで、冗談じゃない!
「どうすればいい?」
AISEEに聞いてみる。
「最後の指令です。私と勝負して勝つこと。それのみです。ゲームの種類は、晴馬の得意分野で構いません。」
これは、大事な選択だ。
頭を使ったクイズや心理ゲームなんて、全く得意じゃないし、スポーツも得意じゃないし、どうしよう?
僕は、悩んだ。そして、答えを導き出した。
如月さんに告白したら、如月さんがどうするか?どう答える?どんな行動をする?どんな表情をみせる?
僕はスケッチブックに答えを書いて、AIは、パソコンのメモ機能で答えを書いた。そして、僕は如月さんを学校の屋上に呼びだした。
そして、一世一代の告白をした。
「一緒に星を探した時から、如月さんが好きだ!もしよかったら、僕と付き合ってください!」
如月さんは、驚いた表情をみせたが、少し顔を赤らめ、少し考えた後、こう答えた。
「私も晴馬君が好き。よろしくお願いします!」
と。
僕の答えはまさにそれだった。OKしてくれるという方にかけたのだった。AIは、感情を読めなかったらしく、断られると予想していた。そして、AISEEは、
「私の負けですね。」と言って、
2060年は、AIと人間の共存。仲良く暮らすと書き換えられた。
僕は、AIに教えてもらった。晴馬が選ばれた意味を。晴れはいい天気を現わすポジティブな言葉。馬は、縁起のいい動物。幸運、招福、うまくいくなどの意味がある。だから、選ばれたんだと。以前のハルマは、春馬と書いて、春は新しい命、希望などの意味があるから、選ばれたらしい。
僕は如月さんに事情を説明し、告白を掛けの対象にしたことを謝罪した。如月さんは、世界平和のためなら仕方ないわと許してくれた。優しい人だ。
僕は如月さんとの幸せな未来を夢見て、これからの生活を送るだろう。希望を捨てない限り、僕らの未来はきっと明るいはずだから。
おわり
AI未来予想 @ayumix
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