ゲス女神。

まままン

「プロローグ」

 彼女は俺の価値観を変えてしまうほど美しく、一目した瞬間から、それなのだと思った。

 豊かながら線の細い体。

 宝石のように煌めく髪。

 純水よりも透き通った瞳。

 麗しく生命力あふれる唇。

 優しい香り、透き通るような吐息。

 ──純白の羽根。

 ああ、女神様だ。

 比喩じゃない。

 本物の女神様だ。

 そのしっとりとした肌に俺は触れた。彼女の足裏はとても柔らかい。おっぱいよりも、お尻よりも……こうして顔面を足の裏で圧迫されることこそが、男の喜びなのだと、俺は思い知らされた。 

 俺の頬が、足指に揉みしだかれ。

 俺の鼻が、足裏の力を感じ。

 俺の唇が、土踏まずと愛し合う。

 あぁあああっ! 踏みしだかれてしまうぅううっ!

「ふっ……ふふふ……ふぁっはっはっ! 馬鹿ですねぇっ! なんと御しやすいのでしょうっ! いえいえ、褒めているのですよぉっ!」

 ぐりぐりと踏みにじられてしまうぅううっ!

 ぬぉおおおおっ! 柔らかくて心地ぃいいいっ!

「ああ、なんと浅ましく愚かな生き物なのでしょう。そんなに踏まれるのが好きなのでしたら、来世はバスマットにでもして差し上げましょうかぁ? なにヨダレを垂らしているのですか。馬鹿ですか。バスマットになったところで、わたしはあなたのことなど意に介しませんよ?」

 ……がっ……あぐっ……

 ……これいいっ……も、ものすごくいいっ……

 もう彼女に逆らえないっ──

 ここは天国だ。

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