第2話 歪な愛
俺は、目を空けたそしたら目の前には見慣れない景色が広がっていた。
「知らない天井、、、、、」
俺はボロボロの体を何とか起こして現状を把握しようとする。
しかし、うまく体が動かない。なんとか上半身を上げる。
目の前に広がる光景は最悪なものだった。
「なんだこれ、、、、、、、」
目の前には怪我人、死亡者多数がいた、四肢の一部がない者や動かない物
一人で泣きじゃくる子どもまさに地獄絵図だ。
どうやらここは急遽建てられた救護室の様だった。
状況が完璧に把握しきれず呆然とする俺に若い女性が話をかけてきた。
「目が覚めたのですね、一つお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか。」
目の前の女性はそう俺に話を掛けてきたが俺はこの人を知らない。
このまま考えても答えは出ないし、話が進まないので承諾してみることにした。
「ええ、どうぞ」
俺はそう返答した。
目の女性が苦いを顔をしながら口を開く
「あの、モネという弁護士をご存じですか?」
俺は、一瞬戸惑った。
最初は、俺が殺した被害者の誰かかと思ったがそうじゃないらしい。
「モネ弁護士は私の弁護をしてくれた男性です。」
俺は続けてこう聞く。
「モネは、どうしたんですか? 無事ですか?」
目の前の女性は今にも泣きそうな顔をしてかすれた声でただ一言いいました。
「死にました、、、、、、」
俺は、絶句した。俺にかかわる人みんな死んでくんだ。そう思った時、ふとここに来るまでの記憶が蘇った。
そうだ、確かあの時は、ザクが出てきてその時にはじいた石がこっちにも多数飛んできた。
その中モネは俺を突き飛ばし駆け出しこう言った。
「邪魔だ、どこけ、死にたくない、死にたくないんだっ」
そういって走り出したモネの頭にソフトボールサイズの石が飛んできてモネは死亡した。
俺は、生き残るためにモネの体の下にもぐり頭を守った。そこで意識が飛んだ。
思い出したくないことを思い出した俺はうずくまる。
そんな姿を見て何かを察したのか目の前の女性が聞いてくる。
「モネが見つかった時にあなたは下にいたと聞きました。その時の状況を教えてください。」
俺は悩んだ正直に伝えるべきか彼の名誉を守るべきか。
だから、彼の名誉を守ることにした。
「モネは、俺を守って死んだ勇敢な戦士だったよ。」
その言葉を聞いて彼女は安堵の表情を浮かべ彼女は自分のカバンから出した茶封筒から数枚紙を出して俺の目の前に突き出した。
俺は、その紙を受け取りぺらぺらとめくり読んだ。どうやら死亡の経緯を記す書類だ。
どうやら、記入しろということだろう。聞くまでもないので俺は胸ポケットに入っていたボールペンを手に取り目の前の書類に黙って記入していく。
しかし、途中で一瞬だけ俺の手が止まる。そこには(死亡した時の状況を事細かに記載せよ)と書いてある。書類は公的な物の為に嘘はつけない。しかし、彼女に伝えた事と異なってしまう。その一瞬止まった事に違和感を感じたのか彼女が少し不思議そうに尋ねてきた。
「どうかしました?」
そう言われてはっとした瞬間に彼女の顔を見てから俺は苦い笑顔を作り急いで真実を書いた。彼女は声こそ柔らかったが顔は無感情だった。その顔を見て俺はぎょっとした。
そして、急いで書き終えた俺は書類の確認をしようとしたが最後の文言を書き終えた瞬間彼女は素早く俺の前から書類を取り上げペラペラとめくっている。その時彼女が書類の3枚で手を止めて凝視し始めて1分もしないうちに無表情だった彼女は般若のような顔に豹変した。そして、俺に書類を叩きつけ叫んだ。
「ざけんなよ、てめぇこりゃどういうことだ」
先ほどまで無表情で淡々していたのにここまで豹変して俺は恐怖を覚えた。
しかし、彼の名誉を汚さない為とはいえ嘘をついた俺が悪い彼女が怒るのも理解は出来たので俺は自分の非を認め真実を彼女に話した。
話を聞いている時の彼女はまた異常なくらい無感情に聞いている。しかし、話し終えた後まるで別人ようだった。彼女は半狂乱になり物を壊しながらに暴れて騒ぎを聞きつけた病院の人が軍人に通報したらしく彼女は10分ほど暴れた後に軍人に連れていかれた。
後から軍人から状況を聞かれたのでありのまま話をした。その後、風の噂で聞いたが彼女はどうやら生命保険目当てだったらしい。その上人を守って死んだとあれば報奨金が出るらしい。俺に文章偽造をさせようとしていたことが軍人にバレて軍法会議に出されると聞いた。その後、彼女の事は誰も知らない。
世界平和 @yashimakarass
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