第4話:共鳴する四人

# 第4話:共鳴する四人


 「私の母は、境界評議会のメンバーだった」美咲は静かに言った。


 「なんですって?」遥の表情が崩れた。


 「母は十年前に亡くなったけど、彼女はアストラリアと日本の架け橋として働いていたわ」美咲は静かに言った。「だから私は、あなたの周りで起きていることに気づいたの。共鳴現象の兆候を」


 「なぜ今まで言わなかったの?」遥の声には珍しく感情が滲んでいた。


 「あなたを守りたかったの」美咲は遥の手を取った。「共鳴現象は危険よ。母はそれが原因で命を落としたから」


 遥の頭に鳴海の警告が蘇った。強すぎる共鳴は精神を侵食する…


 「でも、もう逃げられないかもしれない」美咲の声が震えた。「あなたが共鳴者として覚醒し始めているなら、もう後戻りはできないわ」


 遥は黙って窓の外を見つめた。空は完全に紫色に染まり、どこか遠くで光が瞬いている。


 「昨日、夢を見たの」美咲が静かに続けた。「銀髪の男性が砂漠で戦う夢。そして、彼の隣であなたが…」彼女は言葉を飲み込んだ。


 遥の瞳が大きく開いた。「あなたも見たの?」


 「私も弱い共鳴能力を持っているの。母から受け継いだものよ」美咲は悲しげに微笑んだ。「だからこそ、あなたには真実を知ってほしいと思って…」


 突然、部屋の電気が明滅し、窓ガラスが振動し始めた。二人は驚いて立ち上がった。


 「また始まった…」美咲の顔から血の気が引いた。


 遥の視界が揺らぎ、一瞬だけ別の景色が見えた——紫色の空の下、銀髪の男性が彼女の名前を叫んでいる。「遥!気をつけろ!」その声は低く力強く、彼女の心に直接響いた。


 彼女は頭を振り、現実に戻った。周りの空間が歪むように見え、風もないのに髪が揺れていた。壁に映る影が不自然に伸び、何かの形を作ろうとしている。


 「遥!」美咲が彼女の肩をつかんだ。「共鳴が強まっているわ。これ以上続けば、あなたの精神が持たない」


 遥は震える手で鳴海のカードを掴んだ。「鳴海零時に連絡する必要がある。彼なら何か知っているはず」


 美咲は悲しげに頷いた。「遥、あなたがどうしたいか、私は応援するわ。でも約束して、無理はしないで」彼女の目には懸念と友情が混じり合っていた。


 遥は友人の目をまっすぐ見つめた。「ありがとう、美咲。あなたがいてくれて良かった」彼女の声には感謝と決意が混じっていた。施設育ちの彼女にとって、友人の存在は何よりの宝だった。


 夜も更けた頃、遥は鳴海に電話をした。複数の画面が彼の周りに浮かび、紫色の光が彼の疲れた顔を照らしていた。彼は明らかに休息も取らず研究を続けていたようだった。


 「鳴海です」彼の声は疲れを隠せなかった。


 「霧島遥です」その声は静かだが、決意に満ちていた。「境界人交換プログラムに参加します」


 鳴海は手元の資料から目を離し、椅子に深く腰掛けた。彼の表情には安堵と不安が交錯していた。彼が待っていた言葉であると同時に、恐れていた決断でもあった。


 「理由を聞かせてください」彼の声は穏やかだった。


 「理解したいんです」遥は答えた。彼女は窓辺に立ち、夜空に浮かぶ満月を見上げていた。「この現象が何なのか、なぜ私とリヴァイアスが繋がったのか。そして…」


 彼女は息を吸い、続けた。「私はいつも感情を抑えてきました。施設で育って、波風を立てないよう生きてきた」彼女の声が小さく震える。「でも…あなたの話を聞いて、自分自身の感情にも向き合えた気がしました」


 遥の声が揺れ、彼女は慌てて唇を噛んだ。施設で教わった感情抑制のテクニックが自動的に働いていた。でも今度は違った。彼女は深呼吸し、震える声で続けた。「感情は弱さじゃないかもしれない。そう思い始めたんです」


 鳴海は黙って聞いていた。遥の言葉に、自分自身を見るようで胸が痛んだ。彼もまた、失われた記憶の痛みを抱えながら、感情を抑えて生きてきたのだから。


 「明日、次元技術庁に来てください」彼は決断した。ホログラム画面に座標が表示され、彼はそれを遥に送信した。「あなたを境界評議会の担当者に紹介します」


 「ありがとうございます」遥の声には安堵が混じっていた。


 「ただし、約束してください」鳴海の声が引き締まった。彼のペンダントが強く光った。「何か異変を感じたら、すぐに連絡を。あなたの安全が最優先です」彼の声には、単なる研究者としての責任感を超えた、個人的な懸念が滲んでいた。


 「わかりました」遥は答え、少し躊躇ってから問いかけた。「鳴海さん、なぜ私を助けるんですか?任務だから?」


 鳴海は一瞬躊躇した。彼の周りに浮かぶホログラム画面が消え、部屋は静かになった。


 「私もあなたと同じです」彼は静かに打ち明けた。「真実を知りたい。25年前に失った記憶を取り戻したい。そして、もしかしたら…」彼の声が少し震えた。「あなたの旅が私の答えにもなるかもしれない」


 彼は言葉を選び、続けた。「あなたを見ると、あの銀髪の少女を思い出すんです」彼の首元のペンダントが微かに脈動した。「科学者なのに、感覚だけで動くなんて、私らしくないですね」彼は自嘲気味に笑った。


 通話が終わり、鳴海は椅子に深く沈んだ。彼は窓の外の東京の夜景を見つめながら、ポケットから古い写真を取り出した。5歳の自分と両親の笑顔。写真の端には紫色の光が写り込んでいた。そして、写真の隅には銀色の髪が写っていた。


 彼は指でその部分をなぞり、「イリア…」と小さく呟いた。その名前を口にすると、頭の奥で小さな鈴の音が鳴るような感覚があった。


---


 翌朝、遥は目を覚ますと同時に強い不安感に襲われた。夢の中で見た光景が、まだ生々しく残っていた。


 砂漠の上空から見下ろす景色。紫色の空の下で、リヴァイアスが戦っている。その背後に、影のような存在が近づいている。影がリヴァイアスに触れようとした瞬間、彼の銀髪が赤く染まり——


 遥は目を見開いて飛び起きた。汗が背中を伝い落ちる。「予知夢…?」


 スマートフォンが鳴った。明陵大学の同級生・健太からだった。遥は深呼吸して感情を抑えようとしたが、昨日からの変化は否定できなかった。


 「こんな朝早くに何?」彼女の声には冷たさの下に温かみが混じっていた。


 「遥、昨日の授業のことだけど…」健太の声は緊張していた。「君が席を立った後、教室の空気が紫色に変わったんだ。先生も他の学生も気づいていないみたいだったけど」


 遥の心臓が高鳴った。「他に何か変わったことは?」


 「僕の机の上に、砂がひとつまみほど落ちていたんだ」健太の声は低くなった。「それと…黒い影のようなものが一瞬見えた気がした」


 遥の脳裏に、夢で見た影が蘇った。「健太、今日の午後、理沙と会えない?話があるの」


 「もちろん。三人で久しぶりに会うか」健太の声には安堵が混じっていた。「遥、何が起きてるんだ?」


 「説明するわ」


 彼女はクローゼットを開き、しばらく洋服を見つめた。今日は次元技術庁に行く日。いつもなら機能性だけを考えて服を選ぶのに、なぜか特別な意識が働いていた。結局、彼女はシンプルな紺色のワンピースを選んだ。


---


 「次元技術庁」と刻まれた無機質な建物の前で、遥は足を止めた。普通のオフィスビルのように見えるが、入口の両側には目立たない警備員が立っている。彼らの首元には、鳴海が身につけていたものと同じようなペンダントが輝いていた。


 彼女が入口に近づくと、鳴海零時が待っていた。昨日とは違い、彼は公式の装いだった。白衣の上に浮かび上がる次元技術庁のエンブレム、複数のホログラムバンド、そして首から下げられた記憶調停官のペンダント。


 「おはようございます、霧島さん」鳴海の声は落ち着いていたが、目には疲れの色が濃かった。「よく来てくれました」


 「選択肢はなかったでしょう?」遥はわずかに皮肉を込めて返した。


 鳴海は微笑んだ。「今日はまず、共鳴検査と適性評価を行います。それから境界評議会のメンバーとの面談です」彼は少し躊躇い、「正直言って、私も少し緊張しています」と付け加えた。


 遥は意外なその告白に、思わず目を見開いた。「あなたが?どうして?」


 「次元技術庁の研究者として10年働いてきましたが」鳴海は静かに言った。「こんなに強い共鳴を示す人物は初めてですから」


 エレベーターで地下へ降りながら、遥は疑問を口にした。「私の友人、健太と理沙が共鳴現象の兆候を見たと言っています。美咲も同様です。これは…」


 「彼らも共鳴能力の資質があるのかもしれません」鳴海は表情を引き締めた。「共鳴者は通常、互いを引き寄せます。無意識のうちにね」彼は一瞬頭痛を感じたように眉をひそめた。「四人が揃うと、何か起きるのかもしれません」


 遥は黙って考え込んだ。高校時代から彼らと親しかったのは偶然ではなかったのかもしれない。


 エレベーターが地下10階で停止し、扉が開いた。広大な白い廊下が彼らの前に広がっていた。廊下の壁には不思議な模様が描かれ、薄い光を放っている。


 「魔法回路です」鳴海が説明した。「両世界のエネルギーを安定させる役割があります」彼は少し恥ずかしそうに笑い、「次元技術庁といっても、科学だけではなく、魔法の要素も多いんですよ」


 遥は回路に手を伸ばそうとして、急に頭痛を感じた。視界が歪み、一瞬だけ回路が紫色に変わった気がした。彼女は身を引き、頭を振った。


 「大丈夫ですか?」鳴海が心配そうに彼女を見つめた。


 「ええ、ちょっと目眩が」遥は平静を装った。しかし内心では、先ほどの夢の光景が蘇っていた。「アストラリアで何が起きているか、知っていますか?リヴァイアスは何と戦っているんですか?」


 鳴海の足が止まった。彼は遥をじっと見つめ、声を落とした。「あなたは何か見たんですか?」


 遥は躊躇った後、今朝の夢について話した。彼女の言葉に、鳴海の表情が暗くなった。


 「『侵食者』と呼ばれる存在です」彼は慎重に言葉を選んだ。「両世界の間の存在で、共鳴点を通じて現実に侵入しようとしています。バランサーズは彼らと戦っているんです」彼は一瞬言葉を詰まらせ、「共鳴は素晴らしい力ですが、同時に侵食者が現実に入り込む隙間も作り出してしまうのです」


 「そして、私がリヴァイアスと共鳴しているということは…」


 「あなたもその戦いに関わる可能性がある」鳴海は真剣な眼差しで言った。「だからこそ、境界人交換プログラムは重要なんです」


 彼らは広い部屋の前に立った。「検査室です」鳴海が言った。「心の準備はいいですか?」


 遥は深呼吸し、頷いた。彼女の指先が微かに震えていたが、もはや感情を抑え込むことをやめていた。恐怖も、期待も、すべて感じることを許した。


 部屋に足を踏み入れた瞬間、彼女の視界が白く染まった。次の瞬間、彼女の意識が別の場所へと引き寄せられていく。


 紫色の空の下、赤い砂漠が広がっていた。遥は自分がそこに立っているのが夢なのか現実なのか区別がつかなかった。風が彼女の髪を揺らし、太陽の熱が頬を焼く。そしてその光景の中心に、銀髪の男性——リヴァイアスが立っていた。


 「遥か」彼の声は低く、どこか懐かしさを感じさせるものだった。「ついに繋がったな」緑の瞳が彼女を見つめ、彼の銀髪が風に揺れる。


 遥は返事ができず、ただ彼を見つめていた。距離があるのに、彼の存在が彼女の全感覚を満たしていた。リヴァイアスは彼女に向かって一歩踏み出し、「あの時からずっと、お前を探していたんだ」と言いかけたとき、彼の背後に黒い影が蠢いた。


 「リヴァイアス、後ろ!」遥は叫んだ。同時に彼女の周りが紫色に輝き始めた。


 リヴァイアスは素早く振り返り、剣を抜いた。「まだだ…時間が足りない…」彼の声が急に遠ざかる。「四人が揃うまで…影に気をつけろ…」


 ビジョンが急に霞み、彼の姿が歪む。周囲の砂漠が渦を巻き始め、遥の意識が引き戻されていく。


 「待って!」彼女は手を伸ばしたが、すでに世界は崩れ落ちていた。


 遥は検査室の床に膝をつく形で意識を取り戻した。鳴海が彼女の肩を支え、「大丈夫ですか?」と尋ねていた。彼の瞳には深い懸念が宿っていた。


 「私は…彼に会った」遥はかすれた声で言った。「リヴァイアスに」


 鳴海の表情が緊張に満ちたものになった。「何を言われましたか?」彼の声は落ち着いていたが、目は鋭く遥を見つめていた。


 「四人が揃うまで…と」遥は鳴海の目をまっすぐ見た。周囲の検査機器が彼女の心拍数の急上昇を示していた。「私の友人たち、美咲、健太、理沙。彼らも関係しているんです」


 彼女は立ち上がろうとして足が震えた。鳴海が咄嗟に支え、「ゆっくりで」と声をかけた。彼の手は暖かく、その接触が遥に不思議な安心感を与えた。


 「侵食者も見ました…リヴァイアスの背後に黒い影が」彼女の声が震えた。「まるで私の夢の続きのように」


 鳴海は深刻な表情で頷いた。彼は壁面のコンソールに触れ、室内に共鳴波形のホログラムを展開した。紫と青の波形が美しく共鳴している。


 「これがあなたとリヴァイアスの共鳴パターンです」彼は別の画面を呼び出した。「そして、これが…」


 四つの波形が互いに絡み合うホログラム。青、赤、緑、紫の光が渦を巻いている。


 「四人の共鳴者が揃った時の理論上のパターンです」鳴海は静かに説明した。「四大元素に対応する四人の共鳴者が揃うと、次元の壁を操作できる可能性があります」


 遥はホログラムを見つめた。美咲、健太、理沙…高校時代から彼らは「四大元素」と冗談で呼ばれていた。それが単なる偶然でないことを、彼女は今理解し始めていた。


 「これは予想していたよりずっと深い問題かもしれません」鳴海は検査結果の数値を確認しながら言った。「四人の共鳴者が自然に引き寄せられるのは稀なケースです。これは…」


 彼は言葉を詰まらせ、何かに気づいたように遥を見つめた。「25年前の次元転移実験の記録に、四人の子供が関わっていたという記述がありました」


 遥の目が見開かれた。「あなたの記憶喪失と関係が?」


 「わからない。でも、あなたたち四人が鍵を握っているのは確かです」鳴海は遥の手を取り、「一人で抱え込まないでください。共に真実を探りましょう」と言った。


 彼の手の温もりが、遥に不思議な安心感を与えた。彼女はついに理解した——これからの道のりは危険に満ちているかもしれないが、もう後戻りはできない。そして何より、彼女はもう一人ではなかった。


 「美咲たちに連絡します」彼女は決心した。「彼らも真実を知る権利がある」


 鳴海は頷いた。「明日、彼らを次元技術庁に連れてきてください。四人揃っての検査が必要です」彼は一瞬躊躇い、付け加えた。「ただし、危険も伴います。共鳴が強まれば、侵食者が接近しやすくなるかもしれません」


 「私は怖くありません」遥は静かに言った。声は落ち着いていたが、内側では感情が渦巻いていた。「リヴァイアスは一人で戦っている。私も…私たちも何かできるはずです」


 鳴海は彼女の決意を見て取り、微笑んだ。「霧島さん、あなたは本当に強い人ですね」


 「違います」遥は首を振った。「ただ、もう逃げたくないだけです」彼女の目に新たな光が宿っていた。施設で抑え込まれてきた感情が、今、彼女の内側で目覚め始めていた。


 検査室を出る時、遥は窓から外を見た。東京の空が微かに紫色を帯び始めていた。二つの世界の境界が薄くなっているのだろうか。「もうすぐですね」彼女は小さく呟いた。


 「何が?」鳴海が尋ねた。


 「わかりません。でも、何かが始まろうとしている」彼女の直感が訴えていた。「私たちは時間との戦いかもしれません」


 鳴海の表情が引き締まった。「帰り道、気をつけてください。異変を感じたらすぐに連絡を」彼は自分のペンダントと同じデザインの小さなものを取り出し、遥に手渡した。「これを身につけていれば、あなたの位置がわかります」


 遥はペンダントを首にかけた。微かに暖かく、脈動するような感覚がある。「ありがとう、鳴海さん」彼女は初めて彼の姓ではなく名前で呼んだ。


 彼らの視線が絡み合い、言葉にできない理解が生まれた。二人は同じ答えを探している。同じ謎に挑んでいる。


---


 鳴海零時は自室に戻り、古い写真を見つめていた。「イリア」と「リヴァイアス」——この二つの名前が、彼の失われた記憶の鍵を握っているかもしれない。彼は遥との出会いが単なる偶然ではないことを確信していた。


 彼はデスクに散らばる資料を整理し、新しいメモを取り始めた。「四人の共鳴者」「次元の壁」「侵食者」…そして一番下に「銀髪の少女 - イリア?」と書き加えた。


 彼の心に決意が固まる。今度こそ、真実を見つけ出す。そして、25年前に失ったものを取り戻すのだ。彼の瞳に25年前の暗闇と紫色の光がちらつくが、今回は恐怖ではなく、前進する勇気を与えてくれるようだった。


 ペンダントが淡く光り、静かな部屋に紫色の影を落とした。物語は、ようやく本格的に動き始めたのだった。


---


 遥はアパートに戻る途中、空が紫色に染まっていくのを見上げていた。道行く人々は気づいていないようだったが、彼女の目には鮮明に見えた。世界の境界が薄れていくように。


 スマートフォンを取り出し、グループメッセージを送る。


 『明日、四時に駅前カフェで。重要な話がある。美咲、健太、理沙、必ず来て』


 返信は瞬時に届いた。まるで彼らが待っていたかのように。


 『何かあったの?』美咲


 『了解、遥』健太


 『四人そろっての集まりなんて久しぶりね!』理沙


 遥は微笑んだ。鳴海のペンダントが温かく脈動する。「リヴァイアス…」彼女は小さく呟いた。「もうすぐ、私たちが何者なのか、分かるかもしれない」


 空の紫色がさらに濃くなり、東京の喧騒の中で、誰にも気づかれぬ変化が静かに始まっていた。侵食者の影が近づき、四人の共鳴者が目覚め始め、二つの世界の運命が交差しようとしていた。


 遥の指先が微かに光る。彼女の中で何かが目覚め始めていた。

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