第40話 鈴丘学院 出陣

全国女子高等学校硬式野球選手権大会が開幕して

いよいよ明日、大会二日目に鈴丘学院 女子野球部の初陣!

試合前調整の練習に汗を流した後、ミーティングで葵が

監督らしさを発揮するで~


初戦の相手 花咲南を紹介しよう

スポーツ強豪校で男子野球部は甲子園の常連校であり、

女子野球部は創部4年目で少しずつ実績を重ねて

今年の女子選抜でベスト16の実力校


監督 岩崎 康太 35歳

男子野球監督で甲子園出場1回の経験があり

采配に定評のある勝ち方を知っている監督の真似をする監督


葵「いよいよ明日、初陣です!

  花咲南はやっかいな相手ですが、勝てる相手です

  断言します」

瑞穂「相手は選抜ベスト16の強豪校ですよ」

葵「確かに、戦力も揃っているし、強い学校です

  でも、選抜の戦いを見る限り、采配にクセがあるので

  そこを突けば勝機が見えます。いや勝ちます」

麗奈「クセとは何ですの?」

葵「真似です」

麗奈「真似?」

葵「はい、真似です。岩崎監督は有名な監督の過去の采配を

  模倣することが多くて、読みやすいんです」

瑞穂「なるほどね~まあ、葵ちゃんに任せたね」

葵「ありがとうございます

  それで、明日の先発は美玖で行く

  スズはベンチスタート

  いいな」

瑞穂「正気?スズちゃんがベンチって・・・」

葵「温存です」

瑞穂「エースを温存できるような相手なの?」

葵「そういう相手だからこそ温存します」

瑞穂「分かったわ、信じますわ葵ちゃん」


怜「みなさん、予算がなくて当日移動になるけど

  ごめんなさいね

  でも、出来る限りの応援をするから頑張ってね!」

一同「はい!」


葵「あと、帽子はキャップでお願いします

  それと、グラウンド内での日傘は禁止ということで」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

「ダメなものはダメ!」


さあ!大会二日目 丹穂市営球場

11時試合開始 先攻 花咲南 後攻 鈴丘学院

いよいよ初陣!いざ!

3塁側 応援席には怜校長、有希教頭、藤ちゃん、

ムツミちゃんがいるのだ


先発メンバーがアナウンスされると

花咲南の岩崎監督が不機嫌になってるで~


「エース温存だと!

 まあ、法立女子に滅多打ちにされたエースだからな

 いいか!相手は初出場で1、2年のみで10人だ

 5回コールドで決めるぞ

 全国の恐ろしさを教えてやれ!」

「はい!」


にやける葵なのだ

「いい感じじゃん♪3番手ピッチャーとはありがたや~

 美玖と麗奈さん、ちょっといいですか」

「何、はしませんよ!」

「ちゃうわ!いいか美玖、オレがサインを出すまでは

 70%程度の力で投げろ、そして、ボール球は絶対投げるな

 無駄だ」

「OK!」「分かりましたわ」

「それと、バンドの構えをしても美玖は無視をして、内野に任せろ」


「スズ、日の当たらない所で休んでいろ、少しも体力を消耗するなよ」

「はい♡」


飛鳥「よし、応援席は父兄や補欠の選手以外はいないから

   エロの発動はなさそうですね」

倫子「そうね、ただ法立女子の例があるから、その時は作戦Gを発動よ!」

飛鳥「分かりました!了解です」

倫子「あら、藤ちゃんも来てくれてるわよ」

飛鳥「謹慎解けたのかしら?」

倫子「今日、女子だらけだから、何もなければいいけど・・・」


藤ちゃん「あれ~全国大会だけど、応援がいないのね~」

【予想と違う・・・しょぼんちゅ】

怜校長「女子野球はこれからのスポーツですからね~

    その分、津旅監督も試合に集中して、

    試合後に葵ちゃんにアドバイスをしてあげてください」

有希教頭「あ、始まりますわよ」


「よろしくお願いします」

「ごきげんよう」

【なんだ、このチームは?】


葵「美玖、成果を見せてやれ」

美玖【70%って大丈夫かな、まぁいっか】

審判「プレイボール!」


初球 真ん中低めストレートは見送り ストライク!

1番打者【随分、遅いピッチャーね。これでよく全国大会に出て来たわね】


二球目 外に逃げるカーブも見送り ストライク!


葵がGOサイン

三球目 インコース胸元に渾身のストレート 三振バッターアウト!

三球三振なのだ!

1番打者「何!」


岩崎監督が2番打者に指示を出して送り出し

初球 インコース低めストレート バンドの構え ストライク!

二球目 アウトコース高めストレート バンドの構え ストライク!

三球目 真ん中低めカーブ カットでファール

四球目 アウトコース低めストレート カットでファール

五球目 インコース低めスライダー カットでファール


葵「やっぱりな」 としてサインGO!縦の変化


六球目アウトコースに沈むスライダー 空振り三振 2アウト!


3番も8球粘ってサードごろで3アウト!


ベンチに戻った選手に葵が声を掛けて円陣を組むのだ

葵「美玖、よくやった!上々のスタートだ

  予想通り、揺さぶりを掛けてきているけど

  無視してこっちのペースで行こう

  体力は大丈夫か?」

美玖「70%だからね」

瑞穂「打つ方はどうする?うちも揺さぶりを掛ける?」

葵「いえ、押し通ります。揺さぶって投手を消耗させても、

  次から次へと違うタイプが出て来るだけです」

瑞穂「OK、うちの野球ね」


~つづく~

葵ちゃんの策が大当たり!

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