第17話 基礎訓練
それぞれ更衣室で着替えた後訓練場へ向かった。
「やっぱりクラスメイトの人が結構いるけど、全体的に人数が少ないね」
「まあ、基礎能力訓練とはあるけど実際トレーニングだものね」
「基本鍛えたい人しかいないか」
「ええ。そういえば教官は誰になるのかしら?」
学園の教官は基本的に隊員で構成されており、実技系は現役隊員がほとんどなのだ。そのため二人の知り合いも多い。
「あの人かしら?」
「あ、そうかもしれない...ん?」
「あの人って...」
「全員集合」
「皆出席申請はしたな?この基礎能力訓練の担当をする
そう言うと彼は夢詠と氷結と目を一瞬合わせた。
「それではまず準備運動からだ。トレーニング前の重要な事だからしっかりするよう。」
そうして全員広がり各々準備体操を始めた。
「律さんだったのか。」
「久世さんとは思わなかったわ。」
「だから歓迎会のとき一緒に訓練しようとか言ったのか。」
「仲がいいの?」
「うん。任務でタッグとか結構組んでるからね。よく話すと思うよ。」
「私と同時に入隊したんだけどすごく話しづらい雰囲気を感じたのよね」
「あ~、まあ、雰囲気はね?そうなんだけど話してみるとすごく優しいというか、いい人だからぜひ話してみるといいよ。だけど律さん、か。大丈夫かな」
「何か不安なの?」
「律さんのメニューものすごく大変なんだよね。というか、大変とかレベルじゃないくらいヤバい。めっちゃ追い込んでくる。」
「そうなのね。頑張ってみるわ。」
「そうだね。頑張ろうか」
――――――――――――――
「それでは今日はまず皆の現状を知りたい。合ってないトレーニングは怪我のもと且つ良い効果が得られないからな。二人組で行うからペアを作ってくれ。」
「一緒にやらない?氷結さん」
「もちろんそのつもりよ。」
そうして全員ペアを作ろうとしたのだが奇数人だった為一人余ってしまった。
「余ったなら俺と組もう。」
そうして余ってしまった人は教官と組むことになった。
「それでは始めようか。」
そうして地獄のトレーニングが始まった。いきなりホワイトボードを持ってきたかと思うとそこには基礎体力確認テストと書かれた表が貼ってあった。
持久力、筋力、俊敏性、反応速度、柔軟性、平衡感覚、瞬発力、空間認識能力、状況判断力。カテゴリだけで9個。それぞれのカテゴリに最低でもテストが1個ずつあり、中には4つもあった。
ただでさえ多いのにそれぞれきつい種目ばかりである。学生の間でどよめきが走った。
「いきなりヤバいね」
「ええ、確認テストでこれは覚悟してた方がよさそうね」
「では二人組で各々測定場所へ向かうように。終わった人から解散とする。記録はそれぞれの測定場所に置いてある機械または補助教官がしてくれる。何か質問のある奴?
それでは始め。」
「まず、何から行く?」
「う~ん、持久力の2km走からやろうか。皆行ってる感じないし。」
「そうね。」
そうしてグランドに移動するとやはり人はいなかった。
「やっぱり疲れそうなのは最後に回したくなるよね。」
「皆そう思ってるのね。多分これが一番楽なトレーニングでしょうに。」
「それじゃあ、競争でもする?」
「いいわよ。絶対勝つわ」
「僕も全力でいくよ。どうする何か罰ゲームでも賭ける?」
「いいわね。じゃあ...お願いを一つだけ聞くってどう?」
「律さんとする時と同じこと言ってる。」
「だってこれどの隊でもするでしょう?」
「そうだね。じゃあやろうか。」
On Your Marks―――ピッ
機械によってスタートの合図が鳴った。
先行したのは夢詠だった。だが差をほとんどなく二人ともほぼ同じようなペースで走っていた。
1kmでのタイムは
星宮 夢詠:2分08秒33
月代 氷結:2分08秒58
ほぼ同タイミングで1kmを走っている二人。ラストスパートを先にかけた方は氷結だった。無かったはずの差が少しずつ広がっていった。
ピッ
最終的に先にゴールしたのは氷結だった。次に夢詠が着いた。
「はぁ、はぁ......タイムは?」
ピピッ
電子音が鳴り表示されたのは
月代 氷結:4分01秒10
星宮 夢詠:4分03秒01
「やった!記録更新したわ!」
「おめでとう。速すぎて追いかけるのが精いっぱいだったよ。本当にすごいや」
「夢詠君もほぼ変わらないじゃない。」
「ありがと。そろそろ行こうか。」
「ええ、そうね」
そうして次の測定場所へ向かうのだった。
――――――――――――――――
あとがき
本作品を読んでくださりありがとうございます。
もう4月の終わりが見えてきたという事実に驚きを隠せない作者です。
来月こそは有意義な時間の使い方をできるようにしたいと思っています。(n回目)
書きながら体力テストがあることも思い出し、運動しなきゃなとも思っています。
今話で出たタイムは実は現実世界の男子の世界記録を余裕で更新しています。
ですが、これは創作世界ですのでご容赦を。(気になる人は調べてみてください)
作品を気に入っていただけたら♡や☆、フォローの方よろしくお願いします。
これからもご愛読の程よろしくお願いします。
Hello World@今世
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます