死んだ幼馴染がAIになった日
ラゲク
俺の罪
第1話 白鳥愛華の天気予報
「愛華、今日もいい天気だね」
「はい、今日は一日中快晴でしょう。私がスマホから同期した際に得た情報によると、降水確率0%、絶好の洗濯日和です。」
「う、うんそうだね……、いい天気だ」
「し、白鳥さん、今日はいい天気だねー」
無表情の彼女の顔を、心配しながら話しかけている女の子、愛華と仲の良かった後輩の
彼女の事を愛華は憶えていない、あの悲惨な事件が起きる前は、もっと気軽に話せる間柄だったのに、今ではベルリンの壁のように、お互いの想いは伝わっていない。
それでも彼女が、毎日愛華に話しかけているのは、彼女が優しいからもあるが、「もしかしたら、自分の事を思い出してくれるかもしれないから」と、友人の多い彼女は諦めずに話しかけているのだ。
「はい、その感想は
「あ~はいはい、正確な情報をありがとう愛華」
俺は彼女の行動を止めた。
「そ、そっか~……、晴夫くん、愛華先輩……じゃなかった、白鳥さんの事よろしくね! もし何かあったら呼んでね! 勿論、私の事思い出したらすぐに教えて欲しい!」
「ああ、わかったよ」
俺は彼女が教室の外へ出たの瞬間、重たい肩の荷を下ろした。
昼休みになり、俺は愛華と一緒に昼ご飯を食べる。普通男女2人が、一緒になって昼食を食べるなんて、からかわれる案件なのだが、俺たち2人に向けられるのは、憐れみと同情の声だ。
「晴夫の奴も可哀そうだよな、白鳥さん係なんて……」
「そもそもアイツが原因だって聞いたけど……」
「そう、晴夫がちゃんと彼女を守れる男だったら」
「年上の女だから守るなんて考えても無かったんじゃないの?」
他の男子共の小声が聞えて来るが、それにも慣れてきた。そんなことより愛華に注意しないといけない
「愛華、学校ではスマホからの同期はナシだ。あと、空中でメッセージを見ないで、1人SFの世界に行かないで……」
「何故でしょうか? 最新の情報なら、皆さんをより快適にサポートできます。それにワイヤレスであるため、コードなど接続するための物は不要です。不自然でしょうか?」
「うん、それでもダメだ、何故なら人間は雨が降る予測なんて出来ないからだ。」
「ネットで調べますと、トンボの羽休めの習性から……」
「はいはい、わかったよ。」
「申し訳ございません、
「ブ、ブレイン……」
「
「……分かった、ネットで調べることに文句は言わない。けど、何て言えばいいのだろう? もっと、直感を信じろっていうか……」
「わかりました、確率の計算ですね。」
「なんか違う……」
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