同じクラスの鈴鹿さんはやっぱり天然で可愛い

坂丸

第1章 鈴鹿さんと出逢い

第1話 鈴鹿さんは天然

今日は4月7日金曜日。

名蔵高校めいくらこうこうの入学式を終え、教室でため息をつくのは坂本さかもと れんである。


「友達できるかなぁ」


そんなことを考えながら1人教室で座っているとある1人の子が声をかけてくれた。


「初日から授業あるとかどこの自称進なんやろうなぁ。あっ、ごめん。坂本くんだっけ?これからよろしく。俺の名前は星野ほしの 斗真とうま。敬語使われると嫌だから呼び捨てでいいよ」


「これからよろしくね。斗真」


初対面で呼び捨てはちょっと緊張するがいい人と仲良くなれそうでよかった。


「そろそろ席についとけよ」


本当はもっと喋りたかったのだがもう2時間目の授業が始まるらしい。急いで数学の準備をすると授業が始まった。


「今日は円について…」


先生が話始めるとさっきまでの雰囲気とは変わって集中しているようだ。

周りに気を取られていると


「後ろの方の坂本くん。円の定義はなんだと思う?」


丸っぽいやつ?いやそんなわけないか。

急に当てられて脳内が混乱しているうちに制限時間がきたらしい。考える暇もないじゃないかぁ。


「じゃあ、次はその前の鈴鹿すずかさん。円の定義は?」


僕の次に先生に当てられたのは鈴鹿 ゆえ。僕は入学式以来、少しだけ気になっている子である。彼女は小柄で顔は整っていてメガネをかけている。容姿はまるで小学生のようで可愛い。

そういえば、前にも似たような子に恋に落ちて告白をしたのだがサッパリだったな。だからしばらくは恋愛なんて疎遠でいいのだ。ちなみに僕はロリコンではない。

余計なことを考えてるうちに鈴鹿さんは答え始めた。


「えんのていぎ?  まるっぽいやつかな」


生徒は一斉に苦笑いをした。


「じゃあ、これはどうかな?」


と言いつつ、先生は楕円を2つ書いた。


「これは…ちょっとまる? こっちはだいぶまるっぽい」


ゆえさんが答えた瞬間とき、僕の心の中で何かが

ざわめいた気がした。

これ以来、僕はそんなゆえさんのことがもっと知りたくなっていた。






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