世界の敵は、僕。
桐嶋紀
第0話 闇
「‥‥‥来る! 闇が来るー!」
「逃げろぉーーーー!」
「うちの子は、うちの子はどこぉーーー!!」
「助けて! たすけてえええ!」
「闇が‥‥‥! 闇の軍団がついにここまで―― ぐわっ」
その日、とある王国の地方都市を闇が襲った。
『闇』というのは比喩ではなく、実際に昼に近い時間にもかかわらず、空は真夜中のように昏くなった。
そして、闇と共に襲い来る異形の集団。
それは蠢く人間や魔物の死体。
アンデッドである。
闇と共に街を襲ったアンデッドたちは、命あるものに群がり、その命を刈っていく。
刈られた命は中身のない骸と化し、異形の軍団に飲み込まれ、軍団は時を追うごとにその規模を増していく。
地上から生の光が全て消えた頃、不死の軍団の中からひとりの少年が姿を現す。
「‥‥‥これが始まりだ。この国を、否、この世界のすべてを闇が包む。」
少年が軽く手を振ると、不死の軍団は闇に解けるようにその姿を消す。
そして、少年の周りにはどこからともなく十数人の少年少女が現れ、少年に向けて片膝をつく姿勢を取った。
「‥‥‥行くぞ」
「「「「はっ!」」」」
少年が一歩を踏み出すと、先ほどの不死の軍団と同様に、少年たちの姿はその場からかき消えた―――
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