Vtuber知らない一般人(ランカー1位)がVtuberになる~ポテンシャルが高すぎる⁉~
白長須鯨
第1話
「さて今日はいい日だなぁ」
田中は家から雲一つないそらを見上げて呟いた。
田中 堅地(たなか けんじ)は迷宮探索者で神奈川県の横浜に住んでいた。
昨日は二週間ぶりにダンジョンに潜った日だった。
おいしそうな牛っぽい魔物とかを沢山取れたし、今月の分の納品も終わったので
家で寝ころびながら片手にポテチともう片手にスプライトの500mlペットボトルを
携えて、休暇を満喫していた。
そんな彼の家にプルルルルという音が鳴り響く。
電話だ。それもおそらく緊急の。こういうときは大抵テレビが放送しているので
急いでテレビをオンにするとやはりそこでは緊急ニュースが行われていた。
それは渋谷ダンジョンで「迷宮崩壊」と呼ばれる現象が発生しそうだという内容の
ニュースだった。あと5分程度で始まるそうだ。電話に出ると、
『こちらは政府ダンジョン庁長官の近藤だ。もう知っているだろうが
渋谷のスタンピードを止めてくれ。報酬はいつもので構わないな?』
「ええ。それでかまいませんよ。」そういって電話を切った。
普通は一時間以上前に観測されるのだが、それよりすぐに対処しなければ。
今日は家で休むつもりだったが仕方がない。寝ころんでいた自分の体を起こして
ポテチとスプライトを素早くテーブルに置き、スーツを着る。そして俺はドアを開けてしっかりと鍵を閉めた。
「よし、行くか」俺は風魔法の一つである「
スマホでゴーグルマップを開く。「えーっと、渋谷はこっちだな」
ゴーグルマップに示されていた方向に「
斜め下方向に飛翔していく。やがてヘリコプターなどが視界に入り始めた。
おそらく放送局の撮影のヘリコプターだろう。なんだか命がかかっているのにそれをうりものにしているようで胸糞悪い。撮影前に避難勧告を行うとかできることがあるだろうに、、、と、そんなことを考えても仕方ない。
俺は渋谷ダンジョン前に文字通り着弾した。
もうもうとあがる土煙のなかで身を起こした。
周りを見ると鎧を着たダンジョンのBランク以上の冒険者たちが集まっていた。
彼らは落ちた音でこっちに注目していたのだろう。
煙が晴れて姿が見えるようになるとそのなかでも
ひときわ強そうな白銀の鎧をきた青年がこっちに寄ってきた。
「師匠~」彼はそう言いながらこっちに来る。
彼の名は安藤 光輝。ダンジョンで一度死にかけていたことを救った子だ。
そしてそのまま土下座とともに弟子入りを志願したため弟子として受け入れたのだ。「よお、光輝。元気にしてたか?パーティメンバーの巴、櫂、円も元気だったか?」と言うと光輝と奥にいた男性一人と女性二人がうなずく。女性の一人である佐藤 巴は「師匠の手ほどきのおかげでけがをすることも少なくなりました!」男性である伊藤 櫂と光輝はいつの間にか肩を組んで「ここまでこれたのは師匠がいたからだよな!」「な!」といっている。
もともと才覚はあったから別に俺のおかげじゃないような気もするが、と思っているともう一人の女性が「また師匠は自分のおかげじゃないと思ってるんでしょ?あんたほどの人材はほかにいないってのに、、、」と声をかけてきた「いやぁ、そんなことないよ。日本での一位なんて海外じゃ圏外かもしれないじゃないか」というと
「また謙遜が始まった」と嘆いていた。別に謙遜じゃないんだけどなぁ。
と思っているとおもむろに地面が揺れ始めた。
「始まったみたいだな。光輝たちは取りこぼしを頼む。」
そういい俺は駆け出した。
ダンジョンの入り口から集合体恐怖症が悲鳴を上げるレベルで魔物が
あふれてくる。俺は右腕を構えて叫ぶ。「
右腕が光り輝く。俺が前にふるうと光が衝撃となって魔物を打ち砕く。
轟音と共に地面が揺れ、龍が咆哮するような爆音に場が支配される。
その光、揺れ、音が収まるころにはにはその周辺での魔物は全滅していた。
光輝が誰に言うでもなく呟いた「やっぱりあのひとでよかった。」
ニュースとして報道されそのニュースを通してある女が
その男、探索者名「どうも田中です」を見つめていた。
「うちの事務所は女の子しかいないけどいろんな意味でも
盾になってくれるでしょ!」彼女はそう言い、彼の身辺の情報を集め始める。
彼はそんなことを知らずに定時に帰れると喜び、帰りにお米を買っていた。
はた迷惑なはなしだがそうして彼の運命の歯車が回り始めた。
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