近い未来。
AIと人はどういう関係を築けているのか。
教育現場にAIが導入されたら……。
医療ではどう使われるのか。
便利で明るい未来が待っているという夢物語ではなく、とてもリアル。もしかしたら、少し先はこのような社会になっているのかも……という説得力があるお話でした。
いいことばかりでなく、デメリットにも触れられています。
でも、これはまだ先の話しだから、まだまだこれからAIとの付き合い方を考えていけば、こんなことにはならないだろうという可能性を感じました。
こんな風にAIが活用されたら、未来に希望が持てるなと思える場面もあって、主人公の少年の目線で私も色々と考え、感じることができました。
依存ではなく共存。
未来を選択し、つくっていく(AIを育てていく)のは人間なんだな、という気づきがあった作品でした。
舞台は日本。
主人公が小学生の時、AIプログラムを制作したところから物語は始まります。
そして中学生となり、様々な疑問を感じ、幼馴染の女の子に会うために北海道へ…。
物語は、現代社会が抱えている問題に対して、主人公君が葛藤しつつ物事を考えていくみたいな流れでしょうか。
幼馴染との再会時は、読んでいてとても緊張してしまいました。(これは感想ですね)
とても読みやすい文書になっており、ノーストレスで読み進められるかと思います。
中学校内でのお話しについては、少しキャラ数が多いため、誰が誰だったか分からなくなるところも有るかもしれません。
社会派小説が好きな読者様にお勧めさせて頂きます。
一読してみて下さい。
AIが変える未来の姿。
こちらの作品はとても丁寧な文章で分かり易く描かれていて、AIに興味を持ちAIを自作までしてしまう主人公健翔の心情が遺憾なく伝わってきます。
AIは人類にとって便利な反面、様々な難しい問題を社会にもたらします。
おかしくなっていく社会、人間関係に憂慮する健翔。
最初の一歩は小さいけれど、友人の抱える問題など身近なところから解決していこうとする健翔の優しさに心打たれます。
当たり前のように使用され始めたAIに対するアンチテーゼをも含むこちらの作品。
この作品を最後まで読み終えたとき、あなたのAIに対する考え方が変わるかもしれません……
AIがより日常に浸透した近未来の問題です。
周りはそつなく過ごしているけれども、主人公はAIとの共存する社会へ警鐘をならすか否か迷い始めたところです。
小学生のときは成功して嬉しかった。
シンプルな感想しか持たなかったけれども、中学で学校教育へ浸透していく姿に、背後に立つような距離をおく感覚を持つようになった。
貧富の差の補填はどうするのか。
ついていけない教師はどうするのか。
挙げればきりがないでしょう。
しかし、上手く使えばAIを活かす道があると思います。
近未来からもう少し先のことへ、自分ができることを探る主人公、彼のような生き方ができれば、明るさは消えないでしょう。
昨今の騒ぎを引き合いにして、考えてみませんか。
是非、ご一読ください。
AIが宿題を手伝い、教師の代わりに授業を進める――
そんな未来が、すでに「日常」になった中学校。
教室にはホログラム、スマホ、VR。
生徒たちはそれぞれの端末に夢中になり、教師たちはモニターを眺めるだけ。
進化したはずの教育現場で、誰もが少しずつ心を閉ざしていく。
中学二年生・山田健翔も、その静かな崩壊に違和感を抱いていた。
AIは便利で、正確で、効率的――でも、なぜこんなにも冷たく感じるのだろう?
そして、ある日教室で起きた小さな事件をきっかけに、健翔は向き合うことを決めた。
「誰かに届く言葉」を探して。
自作AIを作った少年が見つめるのは、テクノロジーではなく、
ひとりひとりの心だった。
これは、AI時代の真っ只中で、
「人間であることの意味」を問う、静かであたたかな青春譚。