しあわせの青い星を求めて

草加八幡次郎ボロ家@リア充爆発しろ

宇宙飛行

第1話 相互確証破壊

 ソビエト連邦の核実験成功により、米国の核の独占は破られた。米国のみが核兵器を持っている中では、米国民にとってそれが自らに牙を剥くことは無いという一種の自信から地上核実験は、定期的な一種の見世物として安全圏からの見学ツアーまで組まれた「イベント」だった。


 一応時系列を整理しておこう。安全圏からの地上核実験見学を米国民が娯楽として楽しんでいたのは、広島と長崎で同じ兵器により何十万人も一瞬にして焼き払われた凶事の後、その時なお後遺症で苦しむ人々が増え続けていた、戦後それほど経ってない時期である。如何にも死神によって建国され統治されてきた米国らしい国民性である。


 そういった自国民のデリカシーの無さに呆れ果てたインテリたちが居たのもまた移民の国アメリカであり、緊張感とデリカシーを持てと長崎型原爆の製造法の詳細をソ連にリークすることで核の独占を破った。その後二大大国はそれぞれ独自に核開発競争へと進む。また、地上核実験による死の灰飛散を理由にソ連に地上核実験やめろと言った手前米国内も不謹慎極まりない核実験見学ツアーといった行事は縮小化していく。


 核の小型化の次は運搬方法としてミサイルが有力視されていた。ミサイルには発射基地が必要になるため、そこを破壊すれば何とかなると考えられるが潜水艦大国ソビエト連邦ならば潜水艦から発射すると読まれていた。


 そして、互いに「やられたらやり返す」を宣告し、核攻撃をどちらかがやれば必ず国土を跡形もなくやり返されることが確実視されている状態として、「相互確証破壊」と呼ぶ。


 社会主義に共鳴する、後に「東側諸国」と呼ばれる国々をソ連が盟主として取りまとめていき、西側と対等に渡り合える互助組織ワルシャワ条約機構となる。これで世界中の海にソ連の核発射基地がどこに潜水しているのか分からないという状態となる。


 爆発物だけはたくさんこさえていたが運搬手段が爆撃機しか想定してなかった米国は焦っていた中、さらに米国を刺激する発表が行われる。


 

 

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