アンドロイドは林檎を齧るか

きなこもち

第1話

21xx年⚪︎月×日_____


彼等が街中を歩く光景も最早日常となりつつある。これらは我々人間の尊厳を破壊し、居場所を奪っていく存在である。このような者たちが闊歩する世界に我々は痛く失望した。よって、



彼等の排斥、及び廃絶を目的とする戦争の開戦をここに宣言する。



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突然だが、この世界には大きく分けて二つの勢力がある。一つはアンドロイドとの共存する世界の実現を目指す革新派。そしてもう一つはアンドロイドの廃絶を狙う保守派だ。


現時点では革新派が圧倒的優勢であり、その恐るべきテクノロジーを駆使してアンドロイドを世界中に広めた。


それに伴い、ここ数年でAI関連の企業が増加し、名を馳せるエンジニアも徐々に誕生していったのだ。


かく言う私も、エンジニアだ。自分で言うのもなんだが腕はそこそこ立つ。前職とは全く違う職種であるため色々聞かれなくて楽だし、何だかんだで上手くやっている。



いや、上手くやっていた、と言うべきだろうか。



あの’宣言’以降、保守派は手当たり次第にアンドロイドを排斥している。そして、彼等の標的の中には私たちエンジニアも含まれていた。


私達はアンドロイドと同様、彼等の追跡網から逃れるために奔走せざるを得ない。





今日もまた...激動の一日が始まる。

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