4番サード長島と6番ピッチャー山﨑

 交流戦真っ只中です。世間的には長嶋茂雄さんが亡くなったニュースが大きく取り上げられ、たくさんの追悼企画を目にします。

 野球というか昭和のアイコンだったんだな、という印象を受けました。より正確に言うならば、「高度経済成長期の昭和」の象徴だったのかもしれません。長嶋茂雄さんのプロ入りは1958年で現役引退が1974年。高度経済成長期を1955年から1973年とするならば、長島さんの選手時代は見事に重なるわけです。

 ラジオでどなたかが興味深いことを言っていました。「長島、長島」と騒いでいるのは男の人で女の人は騒いでいない。今の大谷翔平選手のフィーバーには性差がなく、むしろ女性のほうが声をあげているように思う、と。



 6・3


 父のパソコン買い替えの件でバタバタ。報道で長島さんの死を知ったからかどこか元気がない様子。なんとか話をまとめた後でラジオで日ハム対阪神を聴く。本来、ゾゾマリンスタジアムのロッテ対巨人を放送予定だったのだけれども、雨で中止となり日ハム対阪神に変更。まぁ雨でもこういういいこともあるのだな、と関東の虎党としては嬉しい。

 パリーグ首位とセリーグ首位の対決、一部の人は日本シリーズの前哨戦なんて言ってもいましたが、さすがに気が早い。両軍、チャンスをつくるも投手が踏ん張る熱戦で聴いているほうも力が入る。

 この日はエスコンフィールドでの日ハム主催試合だったのだけれども、勝った阪神側のヒーローインタビューがあるという異例で粋なはからい。これ、全球団やったらいいのに。

 才木投手のヒーローインタビューは独特で面白いのだけれども、この日も客席の野次というか声を拾ってちゃんと受け答えを変えている感じがして、いい投手は目配りと頭だな、と感じました。縦縞の背番号3の一発で決めたけど、ヒーローインタビューに大山選手の姿はなし。譲ったのか? それも大山選手らしいけれど。まぁ敵地で二人も出てくるのもあれか。日ハム0‐1阪神。




 6・5


 パソコンは電子決済とか、ケータイ会社との提携キャンペーンとかを使うとお得になるらしいといろいろ調べる。あぁ面倒だな、と思うも、そういうことをきちんとやってこなかったから今の苦しい懐事情なのだと反省して頑張る。ドラフト一位入団のプロ野球選手なら契約金でパソコンの一台や二台、親に買ってあげられるのにな。

 ソフトバンク8‐4中日。ゴールデンルーキー、中日、金丸投手が勝てない。大学ナンバーワン左腕、四年のときには54イニング自責点ゼロで即戦力とうたわれたが勝てない。いいピッチングをしているとは聞いているのですが、プロは厳しいのか。この日は初回に4失点。6イニングで奪三振7だから、やはり三振が取れるいい投手なのだろうけれど。

 ここはガマンで使い続けてほしいところです、はい。




 6・7


 山﨑福也選手がオリックスから出るという報道が出た際、移籍先はヤクルトという説がまことしやかに流れたものです。というのも、この選手、打つほうにも興味があり、実際バッティングもすごいらしいのです。久々に「知っている人にはわずらわしい」解説を挟むと、パリーグにはDHというルールがあり、ピッチャーは打席に立たないのです。つまり、どんなに打力があっても打者として活躍の場がない。このため、移籍の際はDH制がなく、打席に立てるセリーグの球団(ヤクルト)に移籍するのではないか、と噂されたのです。

 蓋を開けてみれば、同じパリーグの日ハムに移籍。この日ハムというのがカギで、あの大谷翔平選手の二刀流の芽を潰さなかった球団なのです。今はもう誰も文句を言えないでしょうが、当時は「ピッチャーはピッチャー専門、打つほうもやろうだなんてプロはそんなに甘い世界ではない」と大御所から厳しい声が出ていたものです。

 さらに日ハムで指揮をとるのが新庄監督。変わった人ですが柔軟性のあるクリエイティブな人です。

 この日、先発は山﨑福也投手。普通、ピッチャーは9番に配置されます。投手は一番打てる期待値が低いので、一番打席に回る回数が少ない場所に配置されるわけです。ところが山﨑福也選手の打順は6番。通常ならば打力のある選手が任される位置。この策が当たり、山﨑福也選手は7回に満塁でヒットを放って打点を稼ぐ大活躍。これは新庄采配がズバリと決まったわけです。DH制と投手をめぐる交流戦ならでは物語が紡がれました。横浜4‐7日ハム。

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