Page.14 「口喧嘩、到着、そしてお尋ね者。」

冒険13日目。


「おい、リヒン。船の上でも練習などはしないのか?」

「そんなことはしないさ。個人練とかはしてもいいが場所に限りがあるからな。」

「そういうことか・・・。」

「そうだよな。練習したいよな・・・。『絶対に姉ちゃんに役に立つ男になってくる!』なんて言ってしまったからな。」

「なんだ?」

「ああん?」

「おい、お前。最初の仲間だからって喧嘩打ってるのか?」

「そう見えてしまったならお前はそれほどの男ということだな?」

「はいはい。もう何回目よ。そのやりとり。」

「そうだぞぉ。タイカ、ビーナ。言い合いじゃなくてちゃんと殴り合いで喧嘩しなさい。」

「リヒン。黙って。こいつらが暴れてこの船が壊してしまったらどうするのよ。」


その後も、この二人のこんなやり取りは続いた。


冒険14日目。


「バケモノの国だっけ?なんでそんな名前なんだ?なんか知ってるか?」

「そうだねぇ。私が聞いたことあるのは、昔そこは獣人が住んでいたからとか言われてるって幼いころの本とかで知った気がするけど・・・。」

「なるほどな。獣人ってすぐそばにいたことないからわからないけどどうなんだ?」

「これも噂になってしまうが、獣人にもいろいろな種類がいるらしくて猫とか犬とかいたんじゃないかったけな。人と違うのはその動物の特長を引き継いでるということだな・・・。」

「へぇ。強そうだな・・・。」

「一度戦ってみたいな・・・。」

「あんたたちね・・・。」


「ちょっとみんな!こっち来て!トレスが見えてきたよ!」

「え?ほんとうか?よし、今日中にトレスへ行くぞ!」

『おー!!!』


それから数時間後、俺らはバケモノの国:トレスの港に到着した。

たまたま、門番などはいなかったため門番が来るまで待っていた。


「ねえ。あれってさ。手配書だよね?あの新しい紙の4枚ってさ・・・。」

「どれどれ?あぁ、あれか・・・。ちょっと近くで見てみるか?」


俺らは立札が立っている場所まで行っていた。

そこには、賞金首となった俺らの顔写真だった・・・。


「すげえな、おい。もう追われる身かよ。5000万だってさ。」

「いい?こうなったってことはどう行動すべきか・・・。」

「もっと暴れる」「強い奴を倒す」「堂々とする」

「・・・。はぁ。」


呆れた声が聞こえた矢先に門番が来たのを見て一度船に戻り変装をした。


「そこの船のもの。責任者はおるか?」

「責任者はおれだが?」

「何日滞在予定だ?」

「俺らは食料とかを調達次第離れる予定だ。」

「なるほど。まぁわかった。」


「おい、リヒン。もうちょっと声を変えるとかどうかしたらどうだ?」

「あ、忘れてた。すまん。」

「まぁ声まではばれてないからな、さてどう調達するかだな・・・。」

「このまま変装をして街に入り最低限必要なものを変わりばんこってどうだ?」

「その作戦が妥当だな。」


そういうことで一人ずつ街に入り食料などを調達をした。


「まぁこれくらいあれば十分か・・・。」

「調べたところジョージル大陸は2日もあれば到着するらしいからな。」

「これくらいでいいな。」


「あの・・・すいません。あたしたちになにか恵んではいただけないでしょうか?」

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