Page.5 「新しい王、新しい船、そして新しい時代。」

冒険5日目、ユニズ滞在3日目

俺とタイカはタイカの元実家:八百屋があった場所を寄った。

跡形もなく何も残ってはいなかったがそこには、タンポポが一凛育っていた。


「さてと、さっさと墓参りをして、即位式を見に行こう。」

「あぁ、そうだな。もっとのんびりしてもいいと思うがな。」

「これくらいじゃないといろいろと考えてきちゃうからよ。大丈夫だ。」


それから、墓参りに行き即位式が行われる広場に向かった。


「おう、お二人さんじゃないか?英雄とでもいおうか?」

「まったく、ケルトもその一人だろ?」

「俺は便乗さ。ワンクスは女王のお付きだから向こうにいるがこの辺で見とけばいいさ。特等席だからな。」

「そうなのか・・・。」


即位式が始まり、エノが現れて民衆に手を振っていた。


「まずは、昨夜の出来事や今までのことを私から謝罪させてほしいです。申し訳ありませんでした。」

「そして、今日(こんにち)からはあなた方を苦しめてしまった謝罪や保証などをさせてもらい、変わるこの国に協力をお願いをしていきます。」

「私は、この国の最後の王であり、明日の朝にはこの国は民主国家へ変わります。」

「何があってもこの国はこれからも大丈夫だと私:ウーヌス・エノが保証します。」

「みなさま、ありがとうございました。」


その発表をしてからエノは戴冠の儀式を行い広場から姿を消した。


「すまない、リヒン。ちょっと用ができたんだがそちらに行ってもいいだろうか?」

「あぁ、大丈夫だ。」

「ありがとう。」


それからタイカの用事が終わるまで俺は新しくできる船を見に行った。


タイカは・・・。


「おい?女王様?」

「あら、もう体は大丈夫なのかしら?」

「うるせい。さっきのはなんだ?約束と違うんじゃないか?王を下りるってどういうことだ?」

「そのままよ。私は王を下りる。」

「国を見捨てるってことか?」

「いいえ、違うわ。私なりに考えてこの国はこれが変わるきっかけになるんだと思うの。そのきっかけを前時代が壊してはいけない。」

「納得はできない。お前なら・・・。」

「あなたは私のことを知ってるからよ。国民は私も暴君の娘なのだから。」

「・・・。」

「まぁ、タイカ。俺も止めようとしたが無駄だ。この方はこうなったら一歩たりともひいてはくれない。」

「国の仕組みはどうするんだ?」

「まずは選挙をしてもらったらいいわ。ワンクスやケルトとかはほかの国の状況をよく知ってるからその知恵を借りるわ。」

「・・・。そうか。」


リヒンのいる造船所。


「お?お前さんがこの船の持ち主か?」

「あぁ。」

「使える部品とかはそのままにはしているぜ。駄目になってるところは交換しといた。」

「そうなのか。ありがとう。」

「この調子でいけば明日の昼には引き渡せるがどうする?」

「そうだな。じゃあ、そうしようかな。」

「わかった。それに間に合うように荷物とかも移動しておくぞ。」

「よろしく頼むよ。」


しばらく船を見てるとタイカが戻ってきた。


「お、用事は終わったのか?明日の昼には出発できるようだから、荷物をまとめに行くか」

「あぁ、団長。俺から願いがある。聞いてはくれるだろうか?」

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