第9配信 裏切りの中で見えた真実——決戦の時が来た
「くっ……!」
俺は震える手で、騎士団の剣を握りしめた。
セリスの言葉が、頭の中を何度も巡る。
「お前の決断は無駄にはならない。覚えておけ」
その言葉が、どこか引っかかっていた。
「何を言ってるんだ……!?」
俺の胸中には、混乱と怒りが渦巻いていた。
だが、それ以上に、何かが俺の中で燃え上がるような気がした。
「……待ってくれ、黒崎」
騎士団の団長が俺の前に歩み寄り、手を差し出してきた。
その手を、俺は一瞬警戒して引いたが——
「なんだよ、今更」
「すまん、黒崎。俺たちは、お前を裏切っていた」
その言葉に、俺の心臓が一瞬止まる。
「……裏切り?」
「言っておかなければならなかったことがある。俺たちの上司——王国の高官が、あの『黒い草』を欲している。お前が持っているそれ、実は俺たちがどうしても回収しなければならないものだったんだ」
「……は?」
俺は目を見開いた。
[視聴者] まさか……騎士団も裏切り者だったのか!?
[視聴者] うわあああ! やっぱり王国には裏があったんだな!
[視聴者] これどうなる!?
「俺たちがあの草を取り戻すことで、王国がさらに力を手に入れるつもりだ。それが国を守るためだと、俺たちは信じてきたんだ」
「信じてきた? お前たちが?」
「だが、俺たちは間違っていた」
団長の言葉には、後悔と焦りが混じっていた。
「黒崎、お前は正しかった。俺たちはお前を裏切ろうとしていたんだ。だが、今はお前を助ける——いや、お前を信じるべきだと思う」
その瞬間、俺の中で何かが弾けた。
「ふざけんな!」
叫びながら、俺は剣を構える。
「俺は、誰のためにもなるつもりはない!」
[視聴者] うおおおお! めっちゃ熱い!
[視聴者] こいつ、マジでかっけぇ!
[視聴者] 俺も一緒に戦いたい!!
「だが、黒崎、聞いてくれ!」
団長が必死に叫ぶ。
「上に言われて、お前を捕えるつもりでいた。でも、今はお前を守るべきだと——」
その瞬間、俺の背後から冷たい声が響く。
「……もう遅い」
振り向くと、そこに立っていたのは——
セリスだった。
「お前、何で……」
俺は息を呑む。
セリスがにやりと笑う。
「遅いのはお前だ、黒崎。もう、俺の計画は完了した。お前も、この後ろの騎士団も、すべてが終わりだ」
「何だと……!」
その瞬間、セリスの周りに集まっていた影が動き出した。
それは、まるで影のように、静かに迫ってくる——
[視聴者] わっ、まさか! セリス、裏で何かしてたのか!?
[視聴者] なんだこの展開!
[視聴者] まさか裏の裏があるとは!!
「みんな、準備をしろ!」
団長が大声をあげるも、セリスは一歩前に出ると、掌を広げた。
「このままお前たちが何をしても無駄だ」
その言葉と同時に——
まるで地面が揺れたかのように、大きな爆発音が響き渡る。
「クソッ!」
俺は反射的に振り向く。
その爆発音が、まさか——
「何だ!?」
街の遠くから、火の手が上がっていた。
「街が——!?」
その瞬間、セリスがにやりと笑った。
「街が今、崩壊する。俺たちの計画は成功したんだ。もう、お前たちにできることは何もない」
「お前……」
「これでお前の選択も、無駄になったな」
セリスは冷酷な目を俺に向け、にやりと笑う。
だが、その笑顔の裏に隠された何かが——
俺の心に火をつけた。
「そんなの、絶対に許さない!」
心の中で湧き上がる怒り。
何もかもを捨てて、ただ進むしかない。
「来い!」
剣を高く振りかざすと、俺はセリスに向かって突進した!
[視聴者] うおおおおお! めちゃくちゃアツい展開!!!
[視聴者] 黒崎、絶対負けんな!
[視聴者] こいつ、やばすぎる!
剣を交えた瞬間——
次回、決戦——宿命の対決が始まる!!
(第9配信 完)
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