第7配信 囮作戦開始——闇商人との再会
「作戦はこうだ」
騎士団の詰め所で、壮年の騎士が低い声で説明を始めた。
「お前は普通に依頼を遂行するフリをして、例の闇商人に接触する。そして、やつが『黒い草』を受け取る瞬間を狙い、こちらが動く」
「……なるほど。でも、俺が捕まったりしません?」
「そこは心配いらん。俺たちがタイミングを見て動く」
[視聴者] これ、ほんとに大丈夫なのか?
[視聴者] なんか不安しかないんだがw
[視聴者] 騎士団が信用できるとは限らんぞ……
「……分かりました。やります」
そう返事をすると、騎士は満足げに頷いた。
「いいだろう。では準備を整えろ。お前が闇商人と接触する場所は?」
「街の門の近くにある廃屋です。あの男はそこで待っているはずです」
「よし、では我々はその周辺に潜伏する。合図は——」
⸻
夜の廃屋——闇商人との再会
数時間後、太陽が沈みかけた頃。
俺は指定された廃屋の前に立っていた。
辺りには誰もいない。静寂が支配する空間。
「……来るか?」
[視聴者] 怖すぎるんだがw
[視聴者] これほんとに大丈夫かよ?
[視聴者] 騎士団、ちゃんと見張ってんのか?
しばらく待っていると——
「よぉ、待たせたな」
暗闇から、コートの男が現れた。
「あんた、遅かったな」
俺はできるだけ平静を装いながら言った。
「まぁな、少し別の仕事をしていてな……それより、例の品は?」
男が俺の手元を見つめる。
俺はゆっくりと懐から『黒い草』を取り出した。
「ほう……本当に持ってきたんだな」
男がニヤリと笑う。
「それを渡してもらおうか」
「その前に、銀貨を」
「……クク、疑り深いな」
男は懐から銀貨を取り出し、ジャラリと鳴らす。
「ほらよ。これで契約成立だ」
男が手を伸ばしてくる。
——その瞬間、
「今だ!」
どこからともなく声が響き、数人の騎士が一斉に飛び出した!
「何!?」
「動くな! 王国騎士団の者だ!」
男の顔色が変わる。
「クソッ、罠か!」
男は一瞬で状況を察し、懐からナイフを取り出した。
「クソガキ……俺をハメたな!」
俺に向かって鋭い眼光を向け、ナイフを構える。
[視聴者] うわああああ!
[視聴者] これやばいやつだって!
[視聴者] 逃げろおおおおお!
「動くなと言ったはずだ」
騎士の一人が剣を抜く。
だが——
「クク……あの草を手に入れたのは俺だけじゃないんだよ」
「……なに?」
「俺の仲間がすでに別ルートで街に潜入してる。さて、どうなるかな?」
男が不敵に笑う。
「くっ……!」
騎士たちが顔をしかめる。
俺の心臓が、ドクン、と高鳴る。
——この戦い、まだ終わっていない。
次回、闇商人の反撃——街に忍び寄る危機!?
(第7配信 完)
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