異世界転生したら、魔王龍のお母さんになりました?!

くらげねこ

第1話

私の名前は猫宮ゆず。

至って平凡な人間である。今は残業から帰ってきて、疲れを癒やしている最中である。

何で疲れを癒してるかって?

それは勿論…


動物や赤ちゃん動画である。

日々の怒りや疲れを洗い流してくれる純粋さ、ふわふわもちもちした洗練された見た目…

世界に愛されたビジュアルでメロメロになっている。


あ、もう一時か…

今日はもっと見ていたかったけれど寝よう…


ぴぴぴぴぴ…

煩いアラームの音で起きる。

全然眠れていないが、出勤しなければならない。

何を隠そう、私の勤めている会社は巷でよく聞くブラック企業なるものなのだ。


最寄り駅までバスに乗り、駅に着いたら電車を待つ。いつも通りの日常。


その【日常】が崩れるのは唐突だった。


どんっ、

鈍い衝撃が背中に走り、周りがスローモーションのように見える。横から光が見える。


そう。突き落とされたのだ。


あ、死ぬな。と直感で感じた。


神様。死んだら…

自由な世界で可愛い動物とかに囲まれながら過ごしたいです_______


________________________________

ん、ここは…?

重い体をゆっくりと起こしつつ、周りを見回す。

ざあっ、と心地の良い風が吹く。


辺りは小高い丘の草原で、丘の下に集落?が見える。そして近くに人の住んでいなさそうな一軒家。


これは…俗に言う【異世界転生】ってやつでは…?!


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