生首風船が空を飛ぶ
長月瓦礫
生首風船が空を飛ぶ
生首風船が飛んだ。険しい顔のオッサンが青空を飛んでいく。
ヘリウムガスを詰め込まれた生首風船が飛ぶ。
ヘリウムガスで声がおかしいことになっている。
生首風船は風に流される。髪の長い美人が青空を泳ぐように流れていく。
ヘリウムガスを詰め込まれた生首風船が飛ぶ。
ヘリウムガスで声がおかしいことになっている。
生首風船が次々と空へ飛ぶ。ポンプでヘリウムガスを詰め込まれ、空へ飛んでいく。
ポンプのわきにある書見台には、余った生首を有効活用するハウツー本が置かれている。
ギロチンで首を落とす。悪人は死に、一時的に平和になる。
体はいろいろと使えるが、生首は好事家以外、誰も欲しがらない。
それはオッサンでも美人でも変わらない。
風船にして空に飛ばせば、勝手に消える。
透き通った空、輝く太陽、生首の風船は今日も遠くへ飛んでいく。
ヘリウムガスでおかしくなった声で叫びながら、今日も遠くへ行く。
恨み言をまき散らしながら、青空を泳ぐ。
生首風船が空を飛ぶ 長月瓦礫 @debrisbottle00
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
しゃべり場!/米太郎
★91 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1,043話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます