終末世界と歯車と

@566

第1話 人間と世紀末

……?

ここは…?気が付くと見知らぬ部屋にいた。

「なに……ここ……?」

あたりをキョロキョロ見回す。

やっぱり、知らない部屋……ではない。ここは普通に自分の部屋だ

一体、どうしてここに……?

必死に思い出そうと試みるが思い出せない。

ふと、足もとを見る。

白紙のカード?とドラマや映画で見る拳銃と弾薬が置いてあった。

「え……?なに……ドッキリ……?」

いや、なんで……? いや…なぜ銃が?…まだ混乱している頭を必死に回転させた。

「……あっ……!」

そうだ……そうだった……!確か……車にひかれたんだ……! 思い出した!そうだ、道でトラックにはねられて……。

頭を必死に回転させ一つ思い出せた

「いや、なんで……?」

普通トラックにひかれたら肉塊になるはずだ

しかし、体には傷一つ無く五体満足の状態だ

ひかれたら事はハッキリ覚えている…どうゆうことだ?

今、生きている。それは間違いない。

でも、あの状況からどうやって助かったのか……?

「あ……」

ふと、ある事を思い出す。

あの時、何か声が聞こえた気がする

誰かは分からないが、女性の声だった気がする

その人は『これから……を開始します 人類種は…

……駄目だ、これ以上は思い出せない

「とりあえず今の状況を確認しないと…」

そうして部屋の窓のカーテンを開けた。

時間は既に夕暮れで暖かい夕日が部屋に差し込んだ

「…!!」

しかし、そこには悪夢のような光景が広がっていた

車は燃えて、建物は崩れ、そこら中に人の死体や血液がばら撒かれている。辺りは不気味なほど静まり返っており、人の気配が一切しない

「なに…これ…」

立ち尽くすしかなかった。今まで住んでいた町が地獄に変わっていたからだ。

しかし、ふと人影を見つけた。良かった。生存者がいた

「すみませーん!!聞こえますかー!!」

窓を開け大声で叫ぶ

遠くに居た人がピクリと反応する

「すみませーん!!来てくださーい!!」

遠くに居た人がこちらに近寄る。良かった…何とか助かっ…!?

近づいて来た人を見て驚いた。

否、人などではない。耳は尖っていて肌は深い緑色。手には血に塗れたナイフを持っていて奇声を上げながらこちらに走っている。

「ひっ……!!」

慌ててカーテンと窓を閉めた。そしてすぐに身を隠した。

何あれ…見間違い……?でも……確かにあれは人間ではなかった。ならあれは一体……?それにあのナイフ…こっちに来たら…死?

嫌だ……死にたくない……!パニックになっていると、窓がバンバンと叩かれた

死にたくない…死にたくない…!

「逃げないと……!」

そう思って部屋から飛び出そうとした。しかし、足が震えて一歩も動けない。

窓が割れる。

「あ……あぁ……」

恐怖で動けない、何も考えれない。

化け物は気持ち悪い笑顔を浮かべている

そして、ナイフを持った化け物が襲いかかってきた

「い……いや…いや!」

バン!!

「……え?」

乾いた音と共に化け物が吹き飛んだ。

「……え?…え?」

困惑する自分の手には煙を上げてる拳銃が握られている…え?

どうゆうこと?撃った?自分が?

いや…銃なんかどこにも…

困惑していると、さっきの化け物がむくりと立ち上がった

「う……うわぁぁぁぁ!」

バンバンバンバン

咄嗟に四発の鉛玉を撃ち込む。化け物は今度こそ完全に倒れる。…倒れているよね?

【経験値が一定の値に達しました…レベルが上がりました】

「ひぃ!!」

機械のような声が響く。周囲を見回すが誰もいない……

どうゆう事?レベルアップ?そんなのまるで……一つの可能性に気づく…気づいてしまう

まさかとは思いつつある言葉を言う

「ス、ステータス」

種族:人間

Lv.3

生命力 :110/110

魔力 :70/60

攻撃 :20

防御:20

素早さ:40

固有スキル:なし

スキル:銃創造 射撃 速射 鑑定 収納

持ち物:拳銃

「マジですか…」

どうやら、いつも通りの日常は消え去ったらしい。

いや、違う、これはきっと悪い夢だ

試しに頬を全力でつねってみる

「痛い…」

現実…?この化け物がいる世界が…?

よし、いったん寝よう

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