第24話
数多くの男をモノにしてきたそのミツの顔と体は、確かに一級品だと思う。
どの男も1度は抱きたいと思うはずだ。
でも俺はそうではなくなった。
そもそも、元から好きだったのかも、今になったら怪しい。
小町に抱く感情と、ミツに対する俺の感情は全く違う。沸(たぎる)ようにミツに対して抱く邪な思いや欲望、そして果てない虚無感を、俺はミツに感じない。
同じ女という生き物には変わらないのに、だ。
でもそれが答えなんだと思う。
「幸助、そういうの似合わなーい」
「あ?」
「本気なんだ?」
「……」
「今の彼女に本気なんでしょ?」
本気?
あぁ、小町が本気で好きかってことか?
そりゃ、本気だろ。
今まで好きだとか恋愛だとか、そんなの全く興味もクソもなかった俺が、照れもせず“運命”なんて思うくらい馬鹿になったんだもんよ。
これを本気と言わずして、何を本気というのだろう。
自分にしか興味のない俺が、同じ女という生き物の中で、アイツだけを違う存在だと感じるのは。
それが答えだ、と断言できるほどに。
俺はあの不気味な女に惚れている、ということなのだ。
「だから?」
面倒なミツから視線を逸らして、慎二から縄跳びを奪った彩が二重跳びをしている様子を見ながら開き直ると。
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