第8話

過去に付き合ってきたどの女も、みんな「別れる!」って言うから「いーよ」としか言えない現実があった。



引き止める理由も、わからない理由も特になかったからだ。




そもそも、俺に黙って他の男と会って、何で嫉妬してくれないの?!って試されるようなことをされても、付き合い続けろってのが無理だろ。





面倒くさいし、そんな女にご用はない。




つって、俺の周りには風船みたいに軽い女しか残念ながらいなかったけど。





「じゃぁ何で別れたの?ミツ、その所為でメッチャ不機嫌だったよ?」




「だからミツに聞けっつの」




「教えてくれないんだもん」




「教えたくないんだもん」




「キャハハっ、ほんっとイケメン。超好き」




「ふーん。俺も自分のこと好き」




「そういう気怠そうなトコも好き。あ、ね、ミツと別れたんだったらあたしと付き合お?」




今この子、さり気なく俺のことを逆ナンしてますよね。




この子、絶対今流行の肉食女子ですよね。




怖いよー。俺食べられちゃうよー。

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