第13話

「そうそう!男なんて興味ありません、みたいな顔して色んな男に愛想良く笑っちゃったり話してたりね!」




「自分がモテるとでも思っちゃってんのかなー?」





違う。



そんなこと全く思ってない。




あたしがモテるなら。

本当に分不相応な仮定だから本当に申し訳ないんだけど。

もし何か間違いが起こって。例えば明日地球が滅ぶ、みたいなコロンブスの予定みたいなコトがあったりとかして。



そこまでして、例えばあたしが“モテる”状態になったとして。

そうなったとしたら。

そこまでの追い詰められた状態であたしがモテる、として。

今。そう言うモテる女のポジションをあたしが仮に射止めていたとしたら。




糞女子が言うように、男の子との距離の取り方だってもっと上手に出来ていたはずだ。

アンタらに連れて行かれたその、なぞの合コンなるモノでも、あたしは強者(つわもの)だったはず。



逆にできていないとおかしい。

だってたった15年でモテてるワケでしょ?

たかが15年でモテちゃって困ってるワケでしょ?

そう言う状況なら、世渡り、なんてモノも一応見かけは上手に出来ていないとおかしい。




女の子の集団の中で、同性である女の子とさえ仲良くできないのに。

そんな同性ですらあたしを“ウザい”とか言っちゃうのに。

そんな人間関係を上手に構築できないあたしが、まさか「自分がモテる」とか。



間違っても言えない・・・・・・。

正直一度は言ってみたいけど・・・・・・。

言ってはみたいけど、それはあくまで言ってみたいってダケだから!

今思ってるわけじゃないから!

そんな身の丈に合わないようなこと、今こんな風に囲まれてる状態で思うわけないから!




モナたちみたいに上手に距離をとれないから、ただ笑っていただけだ。それを勘違いして、まるであたしがビッチみたいな言い方をされても困る。

そんな、ゴキブリホイホイに捕まりにいっちゃうような、尻軽女呼ばわりはもっと困る!

だって悪口じゃん!

それって絶対悪口だもん!




そもそもあたし、あんたらみたいに男にチヤホヤ

されても嬉しくないしね?!

ホイホイされても嬉しくないしね?!





何ならそれより、違う望みのが強いしね?!

男とから女とか、好きだ嫌いだとか、付き合う付き合わないとか、心底どうでもいいよ!!本当に、心底どうでもいい!!



もうあたし、それ以前の問題だし!

実はそれ以前の問題だったりするし!!




「あーあ、何かモナ疲れちゃった。ここって日差しも強いしぃー。もう帰ろー」




その日差しが強い所に連れてきたのはあんたでしょ、とつい口を開きそうになる。

しかもその上、疲れたって・・・・・・。




どの口が言う?!

どの口が言っちゃう?!



あんたらに円になって追い込みかけられながら攻撃されてるあたしの方が疲れたわ!!

横暴にも限度ってもんがあるからね?!



でもそれをぐっと堪えて、そろそろ限界がきそうな腹部の痛みに額から汗が伝わるのを感じる。



お気に入りのおもちゃが壊れちゃったから捨てよ〜みたいなノリの、あたしにとっては元お友達らしき人達。

もうあたしにとっても。彼女達にとっても用済みらしいあたしは、“元”お友達に違いないんだけど。



故にあたしからしたら、もうホイホイ系女子っていう認識になるんだけど。




「確かに暑いよねー!うち今日日焼け止め塗ってないの!」




「ヤバくない?すぐ日焼けしちゃうじゃん!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る